自分のアイデアを商品化するために知っておきたい3つのこと

弁理士の米田です。

自分が考えたアイデアを商品化したいけど、何からしたらいいのか分からない人もいると思います。また、企業にアイデアを売り込みたいけど、自分のアイデアに企業が興味を持ってくれるか心配な人もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は、考えたアイデアが商品化されるまでの主な流れを解説します。また、実際に商品化されたアイデアから、商品化されるアイデアの共通点を探っていきます。

1.アイデアが商品化されるまでの流れ

1-1.考えたアイデアが真似されるのを防ぐ

商品化したいアイデアを考えた場合には、まず、考えたアイデアについて特許の申請をしましょう。特許が認められれば、考えたアイデアを他の人は勝手に使えません。特許申請については、特許申請の方法から特許取得までの流れを弁理士が解説の記事に詳しく書いてあります。

アイデアを売り込んだ企業にアイデアを取られる心配もなくなります。安心してアイデアを売り込むことができます

特許の申請の方法については、こちらの記事に詳細に記載されていますので、ご参照下さい。

特許申請の方法から特許取得までの流れを弁理士が解説

2017.06.06

1-2.アイデアを売り込む企業を探す

特許の申請後は、アイデアの売り込み先を探します。インターネットでアイデアを募集している企業を探してみるといいでしょう。

また、インターネット上でアイデアを募集していない企業に売り込みたい場合は、アイデアを商品化してもらえそうな会社(自分のアイデアに関連する商品を販売している会社)にアイデアの企画書を郵送する方法もあります。

インターネットでアイデアを募集している企業の一例

下村企販株式会社

応募条件
・アイデアに新規性があること(今までにないアイデアであること)
・アイデアについて特許などを取得していること(又は取得可能であること)
・指定されたアイデア提案企画書を作成すること

応募ページへのリンクはこちら

株式会社ケイジェイシー

応募条件
・アマチュアの方のみ
・応募シートを作成すること

応募ページへのリンクはこちら

株式会社メイダイ

応募条件
・アイデア提案の希望をメールで連絡すること
・メールで送られてくるアイデア企画シートを作成すること

応募ページへのリンクはこちら リンク切れ

これらの企業の他にもアイデアを募集している会社があります。インターネットで検索してよさそうと思う企業や自分のアイデアに関連する商品を販売している会社にアイデアを提案してみましょう。

2.商品化されたアイデア商品3選

企業にアイデアを提案するとなると、気になるのは、提案するアイデアが企業に採用してもらえるかです。次に、実際に商品化に至った3つのアイデアをみてみましょう。

2-1.おかず倍増計画

出典:有限会社アルディプロジェ

炊飯器でご飯を炊く時に一緒に根菜類なども蒸すことができるアイデア商品です。お洒落な机のような三本足の台を研いだお米が入った炊飯器のお釜の中にセットします。そして、その台の上に根菜類を置いて炊飯器でご飯を炊くと、ご飯が炊けるとともにお釜の中の蒸気で根菜類が蒸し上がります。

ご飯を炊くだけでおかずもできてしまう商品です。このアイデアは、特許第3336313号として特許が認められています。

2-2.アク取りお玉

出典:有限会社サンガ

煮込み料理などを作る時に出てくるアクをすくわず取ることができるアイデア商品です。アクをお玉の底で上から押すようにお玉を浸します。すると、アクがお玉の底にある突起に付着して簡単にアクが取れます。

アクをすくわないので、アク取りの際に煮汁が減るの防いでくれる商品です。

2-3.すくっパッ

出典:発明主婦さかいゆうこ

グリルで焼いた魚をすくい上げることができるアイデア商品です。熊手のように柄の先に付いた複数の爪をグリルの網目に差し込むことで、グリル上の魚を下からすくい上げることができます。

魚をすくい上げるため、グリルから魚を簡単に取り出せる商品です。

以上、商品化されたアイデアを3つみてきました。これらのアイデアは、どうして商品化することができたのでしょうか。

次に商品化されたアイデアの共通点をみていきましょう。

3.商品化されたアイデアの共通点

商品化された上記の3つのアイデアには、2つの共通点があります。それは、コストニーズです。具体的にみていきましょう。

3-1.コストが安い

アイデアを商品化する企業の目線から見た共通点です。上記で紹介した商品は、いずれも複雑な動きをするものでも高度な技術を駆使するものでもありません。アイデアを商品化する際に大きなコストがかからないアイデアが商品化されています。

製作に大きな費用がかかる商品を販売しようとすると、製作費用を回収できないリスクが生じます。そのため、商品化するのに大きな費用がかかるアイデアは、企業側としては採用しにくいでしょう。

3-2.ニーズがある

次に、製作した商品を購入する消費者の目線から見た共通点です。上記で紹介した商品は、全て主婦の方のアイデアから生まれています。主婦の方のアイデア商品というのは、普段の生活の中で多くの主婦の方が不便だと感じている部分を改善するものが多いです。

つまり、「こんな商品が欲しかった」と多くの主婦の方が感じる商品です。言い方を変えれば、商品を販売すれば売れる、ニーズが強い商品ともいえます。いくら画期的なアイデアであったとしても、ある程度、売れる見込みがない商品でないと、企業としては採用に二の足を踏んでしまうでしょう。

以上から企業に採用されやすいアイデアとしては、商品化するコストが安いことと、商品化した際にニーズがあるという共通点を見出すことができます。

4.まとめ

以上、アイデアを商品化するまでの流れと、実際に商品化されたアイデア、商品化されたアイデアの共通点をみてきました。

企業に売り込みたいアイデアがある場合には、アイデアを商品化するのにかかるコストとアイデアを形にした商品に消費者のニーズがあるのかを、まず検討してみてはいかがでしょうか。

今回の記事がお役に立てれば幸いです。

ABOUTこの記事をかいた人

弁理士。当サイトの運営責任者。幼い頃、大切にしていたガンダムのカードをパクられた経験から、大切なものをパクられないようにすべく、特許や商標などの知的財産で大切なアイデアなどを守ったり、活用したりするサポートをしています。 商工会議所、商工会、金融機関、企業など各種業界団体での講演実績も多数。 支援先は、メーカー、スタートアップ企業、個人発明家のみならず、デザイン会社、マーケティング会社、ミシュランに掲載の飲食店など多岐にわたっています。