製品開発の初期段階では、「まずは3Dプリントで形にして確かめたい」という場面があります。
ただし、出願前の試作のやり方によっては、気付かないうちに特許や意匠の新規性が失われてしまうおそれがあります。
よくあるつまずきとしては、次のようなケースがあります。
- SNSや展示会で、試作品の特徴が分かる写真や動画を公開してしまい、新規性がなくなる
- 外注先での情報の扱い(NDA:秘密保持契約)が曖昧で、渡したデータが想定外の範囲に広がってしまう
一方で、公開リスクとは別に、試作を行うことで次のような出願内容の検討にも役立つ気付きが得られることもあります。
- 試作してみることで、特許になり得る技術的なポイントが見えやすくなる
- 実物を確認することで、「どんな見え方を意匠として押さえるべきか」がはっきりしてくる
- 使ってみたときの違和感から、改良のヒントや工夫すべき点が浮かび上がる
- 試作の過程で得られた気付きや経緯を、製品紹介やブランドのストーリーづくりに活かせる
このページでは、出願前の3Dプリント試作を安全かつ効果的に進めるためのポイントを整理し、テーマ別の記事をご案内します。
1. まず全体像を知りたい方へ
出願前の試作でどこに注意すべきか、どう活かすか──
「全体の流れ」をまとめたガイドはこちらです。
2. よくある4つの疑問をテーマ別に解説
出願前試作で多くの方がつまずきやすい4つのテーマを、目的別に整理しています。
① 試作を外注するときの注意点(NDA・情報の扱い)
外部にデータを渡すときの注意点と、NDAで不足しがちなポイント
② SNS・展示会で公開するときの注意点(新規性)
③ 意匠として押さえるべき「見た目」の考え方(デザイン)
④ 特許として守りたい技術部分の扱い方
どの技術を試作で見せるとリスクになるか、安全に進めるための整理
3. 出願前の試作を安全に進めたい方へ
知育特許事務所では、外部にデータを預けずに進められる「安全な出願前試作」をご提供しています。
- 弁理士には法律で秘密保持義務があり、いただいたデータは外部に出さず安全に管理します
- 必要に応じてNDA(秘密保持契約)の締結も可能
- 事務所内の3Dプリンターで試作が完結し、データを外部の試作会社に渡す必要がありません
- 試作で得られた気付きをもとに、出願内容の検討や製品ストーリーの整理まで一貫して支援します
この記事を書いた人:弁理士・米田恵太(知育特許事務所)

