最終更新: 2026年4月26日
当データベースでは、判決の中で裁判所が認定した実施料率を抽出して収録しています。
2026年4月、収録データの内部見直しを行い、職務発明訴訟を中心に 実施料率以外の数値が一部混入していた ことが判明したため、対象 10 件を訂正しました。本ページでは訂正対象を全件公開します。
判決文の中には、見た目が「○%」でも、実施料率(売上に乗じる料率)とは別の意味の数値が登場することがあります。当データベースは「裁判所が認定した実施料率」を抽出する設計のため、これらの値は本来収録対象外です。
具体的には、以下のような値が混入していました。
また、別系統の見直しとして、判決公開版そのもので裁判所が認定した実施料率の数値が伏字(非公開)処理されていた事件が 2 件混入していたことも判明しました(裁判所は「料率は●%とするのが相当」と認定しているが、公開版では具体値が伏せられている)。これらは「判決には実施料率の認定がある事件」として収録は維持しつつ、料率の数値欄のみ空欄に訂正しました。
これらに対し、判決を再確認した上で次のように対応しました。
収録停止 2 件 値の訂正 6 件 分類変更 2 件
| 事件 | 対象知財 | 訂正前 | 訂正後 | 区分・理由 |
|---|---|---|---|---|
| JP2007-H15W23981 東京地判 H19 |
特許権(半導体装置) | 3.0% | 2.40%(4005 件まとめ契約全体) | 値訂正 旧値 3.0% の出所が判決から特定できず(おそらく原告貢献度 3% の混入)。裁判所が認定したのは LBP 包括ライセンス標準料率 2.40%(被告保有特許 4005 件全体)のため、こちらに変更。本件特許単独の修正実施料率は 0.018% と判決中に併記あり。本件特許単独の実施料率としては利用できないため、ご利用の際はその旨ご注意ください |
| JP2019-H29W14685 東京地判 H31 |
職務発明(FAM 吸水材製造方法) | (空欄) | 収録停止 | 収録停止 判決中に料率の独自認定がなく、複数特許の割り当て比率(17.5 分の 1)しか言及がないため |
| JP2015-H26N10083 知財高判 H27 |
職務発明(リコー・選択信号方式) | 2.5% | 2.5%(55,568 件まとめ契約全体) | 値訂正 数値自体は変わらないが、判決別紙『A社実施料計算表(更正後)』を再確認した結果、これは A 社包括クロスライセンス契約の標準実施料率 2.5%(保有権利数 55,568 件全体)と裁判所が認定した値であることが判明。本件特許単独の実施料率としては利用できないため、ご利用の際はその旨ご注意ください |
| JP2004-H15N4867 知財高判 H16 |
特許権(窒素系永久磁石) | 10.0%(職務発明) | 3.0%(既存契約参照) | 値訂正+分類変更 旧値 10.0% は発明者への配分割合(実施料率ではない)。判決中に被告と住友金属鉱山等 3 社のランニングロイヤルティ 3.0% の認定あり。値はその 3.0% に訂正、分類は契約参照 |
| JP2020-H30N10062 知財高判 R2 |
特許権(FeliCa 関連) | 0.3% | 3.3%(11 件まとめ契約全体) | 値訂正 旧値 0.3% は 11 件の特許まとめ契約を 1 件あたりに割った後の値。裁判所が認定したのは 11 件全体に対する料率 3.3% のため、こちらに変更。本件特許単独の実施料率としては利用できないため、ご利用の際はその旨ご注意ください |
| JP2021-R2N10047 知財高判 R3 |
特許権(圧電型加速度センサ等) | 3.0%(職務発明) | 3.0%(既存契約参照) | 分類変更 本件は契約解釈訴訟。3.0% は当事者間の契約条項に定められた料率 |
| JP2016-H28N10049 知財高判 H28 |
著作権(書籍) | 20.0% | 収録停止 | 収録停止 20.0% は出版契約に基づく書籍の印税率。特許の実施料率データベースの収録範囲外と判断したため |
| JP2017-H28N10116 知財高判 H29 |
特許権(汚染土壌固化方法) | 3.0%(職務発明) | 3.0%(既存契約参照) | 分類変更 3.0% は当事者間ライセンス契約に定められた料率(裁判所による独自認定ではない) |
| JP2020-H29W18010 東京地判 R2 |
特許権(インテリジェントホームシステム) | 5.0% | (空欄) | 値訂正 判決公開版において、裁判所が認定した実施料率は「●(省略)●パーセントをもって相当と認める」と具体値が伏字処理されており、売上額も同様に伏字。そのため当データベースで具体値を収録する根拠が得られず、料率欄を空欄に訂正。判例情報自体は実施料率の認定があった事件として収録を維持 |
| JP2021-R3N10020 知財高判 R3 |
特許権(通信回線を用いた画像音声伝送システム) | 1.0% | (空欄) | 値訂正 上記 JP2020-H29W18010 の控訴審。判決公開版において、裁判所認定の実施料率は「売上高に●パーセントを乗じた額」と具体値が伏字処理。原審の伏字を引き継いでいる。料率欄を空欄に訂正、判例情報は収録を維持 |
※「分類変更」は、登録カテゴリーを「職務発明訴訟(裁判所による実施料率の独自認定)」から「既存契約参照(当事者間の契約料率)」へ変更したものです。料率の数値自体は変更していません。
本訂正により公開件数は 227 件 → 225 件(裁判例分)に変更されました(収録停止 2 件分)。今回追加した 2 件(JP2020-H29W18010 / JP2021-R3N10020)は料率欄のみ空欄化し、判例情報自体は収録を維持しているため、件数の変動はありません。経産省アンケート調査データ(148 件)は本訂正の対象外です。料率の業種別平均値・中央値は微小に変動しますが、主要な統計傾向に有意な変化はありません。
本データベースの数値は参考情報です。ライセンス交渉・訴訟対応・社内稟議等の実務でのご利用に際しては、必ず各判例の出典リンクから判決原文をご確認ください。今後新たに訂正が発生した場合は、本ページに追記します。