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収録データの訂正履歴

最終更新: 2026年7月26日

当データベースでは、判決の中で裁判所が認定した実施料率を抽出して収録しています。

2026年4月、収録データの内部見直しを行い、職務発明訴訟を中心に 実施料率以外の数値が一部混入していた ことが判明したため、対象 10 件を訂正しました。本ページでは訂正対象を全件公開します。

訂正の理由

判決文の中には、見た目が「○%」でも、実施料率(売上に乗じる料率)とは別の意味の数値が登場することがあります。当データベースは「裁判所が認定した実施料率」を抽出する設計のため、これらの値は本来収録対象外です。

具体的には、以下のような値が混入していました。

また、別系統の見直しとして、判決公開版そのもので裁判所が認定した実施料率の数値が伏字(非公開)処理されていた事件が 2 件混入していたことも判明しました(裁判所は「料率は●%とするのが相当」と認定しているが、公開版では具体値が伏せられている)。これらは「判決には実施料率の認定がある事件」として収録は維持しつつ、料率の数値欄のみ空欄に訂正しました。

これらに対し、判決を再確認した上で次のように対応しました。

訂正対象 10 件

収録停止 2 件 値の訂正 6 件 分類変更 2 件

事件 対象知財 訂正前 訂正後 区分・理由
JP2007-H15W23981
東京地判 H19
特許権(半導体装置) 3.0% 2.40%(4005 件まとめ契約全体) 値訂正
旧値 3.0% の出所が判決から特定できず(おそらく原告貢献度 3% の混入)。裁判所が認定したのは LBP 包括ライセンス標準料率 2.40%(被告保有特許 4005 件全体)のため、こちらに変更。本件特許単独の修正実施料率は 0.018% と判決中に併記あり。本件特許単独の実施料率としては利用できないため、ご利用の際はその旨ご注意ください
JP2019-H29W14685
東京地判 H31
職務発明(FAM 吸水材製造方法) (空欄) 収録停止 収録停止
判決中に料率の独自認定がなく、複数特許の割り当て比率(17.5 分の 1)しか言及がないため
JP2015-H26N10083
知財高判 H27
職務発明(リコー・選択信号方式) 2.5% 2.5%(55,568 件まとめ契約全体) 値訂正
数値自体は変わらないが、判決別紙『A社実施料計算表(更正後)』を再確認した結果、これは A 社包括クロスライセンス契約の標準実施料率 2.5%(保有権利数 55,568 件全体)と裁判所が認定した値であることが判明。本件特許単独の実施料率としては利用できないため、ご利用の際はその旨ご注意ください
JP2004-H15N4867
知財高判 H16
特許権(窒素系永久磁石) 10.0%(職務発明) 3.0%(既存契約参照) 値訂正+分類変更
旧値 10.0% は発明者への配分割合(実施料率ではない)。判決中に被告と住友金属鉱山等 3 社のランニングロイヤルティ 3.0% の認定あり。値はその 3.0% に訂正、分類は契約参照
JP2020-H30N10062
知財高判 R2
特許権(FeliCa 関連) 0.3% 3.3%(11 件まとめ契約全体) 値訂正
旧値 0.3% は 11 件の特許まとめ契約を 1 件あたりに割った後の値。裁判所が認定したのは 11 件全体に対する料率 3.3% のため、こちらに変更。本件特許単独の実施料率としては利用できないため、ご利用の際はその旨ご注意ください
JP2021-R2N10047
知財高判 R3
特許権(圧電型加速度センサ等) 3.0%(職務発明) 3.0%(既存契約参照) 分類変更
本件は契約解釈訴訟。3.0% は当事者間の契約条項に定められた料率
JP2016-H28N10049
知財高判 H28
著作権(書籍) 20.0% 収録停止 収録停止
20.0% は出版契約に基づく書籍の印税率。特許の実施料率データベースの収録範囲外と判断したため
JP2017-H28N10116
知財高判 H29
特許権(汚染土壌固化方法) 3.0%(職務発明) 3.0%(既存契約参照) 分類変更
3.0% は当事者間ライセンス契約に定められた料率(裁判所による独自認定ではない)
JP2020-H29W18010
東京地判 R2
特許権(インテリジェントホームシステム) 5.0% (空欄) 値訂正
判決公開版において、裁判所が認定した実施料率は「●(省略)●パーセントをもって相当と認める」と具体値が伏字処理されており、売上額も同様に伏字。そのため当データベースで具体値を収録する根拠が得られず、料率欄を空欄に訂正。判例情報自体は実施料率の認定があった事件として収録を維持
JP2021-R3N10020
知財高判 R3
特許権(通信回線を用いた画像音声伝送システム) 1.0% (空欄) 値訂正
上記 JP2020-H29W18010 の控訴審。判決公開版において、裁判所認定の実施料率は「売上高に●パーセントを乗じた額」と具体値が伏字処理。原審の伏字を引き継いでいる。料率欄を空欄に訂正、判例情報は収録を維持

※「分類変更」は、登録カテゴリーを「職務発明訴訟(裁判所による実施料率の独自認定)」から「既存契約参照(当事者間の契約料率)」へ変更したものです。料率の数値自体は変更していません。

2026年5月11日 追加訂正(2件)

収録データ 2 件のタグ分類・対象知財表記に誤りが見つかりました。料率の数値・基本データは変更ありません。

事件 訂正前 訂正後 区分・理由
JP2015-H26N10025
知財高判 H27
対象知財: 特許権+ノウハウ(物流コスト削減シミュレーションシステム)
タグ: 契約実績ベース|貢献度低|職務発明
タグ: 契約合意対価|契約実績ベース|貢献度低 分類変更
本件は職務発明訴訟ではなく、原告(個人発明者)の知的財産(X理論ノウハウ+特許権7件)を被告に包括使用許諾する合意(本件合意)に基づく「相応の対価」請求事件。判決中で「業務発明」として扱われており、職務発明タグは誤りでした。「契約合意対価」タグに変更
JP2022-R2W15955
東京地判 R4
対象知財: 特許権(多機能キッチンスタンド)
タグ: 営業秘密
対象知財: 実用新案権+不正競争防止法(多機能キッチンスタンド)
タグ: 形態模倣|不正競争防止法
分類変更
本件は特許権侵害訴訟ではなく、主位的に不正競争防止法(商品形態模倣・2条1項3号)に基づく損害賠償、予備的に実用新案権侵害および不当利得返還を請求した事件です。当初「特許権」「営業秘密」と分類していましたが、形態模倣事案であって特許権侵害訴訟でも営業秘密侵害事案でもなく、誤分類でした。対象知財・タグともに修正

※ 認定料率および基本データは変更ありません。対象知財・タグの表記訂正のみです。

2026年7月17日 経産省2025年アンケート調査 料率の訂正(8分類)と収録範囲の拡大

経済産業省の2025年アンケート調査データについて、特許権の技術分類 8 件で、公開していた平均料率に誤りがありました。初回収録時に原典の数値を手作業で取り込んだことによるもので、件数(n)および業種分類に誤りはありません。

再発防止として、手入力のデータを廃止し、原典 Excel から機械生成したデータへ切り替えました。あわせて 2025年調査として収録している全 64 行について、原典 Excel の料率・件数・標準偏差・最大値・最小値・中央値の 6 項目を機械的に照合し、全件一致を確認しています。なお、2010年調査分についても下記のとおり全行の照合を実施しています。

対象 訂正前 訂正後 区分
特許権(冶金)2.9%4.1%値訂正
特許権(工学一般)3.0%2.1%値訂正
特許権(建造物)4.1%3.2%値訂正
特許権(成形)2.5%3.2%値訂正
特許権(分離;混合)3.2%2.5%値訂正
特許権(機関またはポンプ)3.2%3.0%値訂正
特許権(運輸)3.2%2.9%値訂正
特許権(照明;加熱)2.1%2.2%値訂正

※ 上記 8 分類のほか、24 分類(特許 9・商標 11・技術ノウハウ 4)について内部保持値を原典 Excel のセル値に統一しました。これらは公開表示値(1% 以上は小数第 1 位、1% 未満は小数第 2 位に丸め)に変更はありません。

同時に行った収録範囲の拡大(27 分類の追加)

上記の訂正とあわせて、これまで収録していなかった 27 分類(商標 16・特許 8・技術ノウハウ 3)を追加しました。従来は手入力 CSV に含めていた分類のみを収録していましたが、原典 Excel の同じ集計表に載る分類をすべて収録する方針に改めたためです。これは誤りの訂正ではなく収録範囲の拡大ですが、表示件数が変わるため併せて記載します。

2010年調査 特許権データの差し替え(34分類 → 25分類)

経済産業省2010年調査の特許権データについて、技術分類別の34件が、調査報告書の掲載値と一致せず、出典(2010年調査)のデータとしては誤りであったことが判明しました(例:「個人用品または家庭用品」を件数71件と収録していましたが、報告書の掲載値は13件です)。報告書本編に掲載されている技術分類別データ(表Ⅱ-3・25分類)に差し替えました。

あわせて、経済産業省アンケート調査データ(2010年・2025年)の全行について、原典(調査報告書・原典Excel)との機械照合を実施し、一致を確認しています(2010年:特許25・商標33・プログラム著作権22・技術ノウハウ22/2025年:全64行)。この照合は、データ更新を公開する際のビルド工程で毎回自動実行されます。

2026年7月26日 定期点検(第2回)と表示の改善

料率の数字を掲載している判例208件すべてを、判決の原文と突き合わせて点検しました(点検は3か月ごとが目安。前回は2026年4月26日)。個々の判例の料率の数字に変更はありません。収録件数(判例228件)も変わっていません。

今回変えたのは表示で、次の2点です。

1. 料率の「示し方」が分かるマークを付けました

判決が料率を示すときの言い方は、ひとつではありません。

これまでは、どの言い方でも同じ「◯%」として表示していました。今回から、最初の形以外の24件に「上限」「下限」「配分割合」「逆算」「利得上限」の5種類のマークを付け、個別ページにも説明を書きました(「逆算」=判決が金額だけを決めたため売上高から率を逆算したもの、「利得上限」=認定された率より侵害者の利得が低く頭打ちになったもの。各1件です)。マークにカーソルを合わせる(スマートフォンではタップする)と説明が表示されます。

もうひとつ、別の見分け方も加えました。裁判所が示した率には、損害額の計算に実際に使われた率と、判断の途中で比較のために挙げただけの率があります。後者のマークには「参考」と添えています。

2. 平均・中央値の計算方法を変えました

平均・中央値・レンジ(最も低い率から最も高い率までの幅)は、相場の目安としてそのまま使える率だけで計算する方式にしました。具体的には、「参考」の付いた率と、売上高に対する割合ではない数値(「配分割合」「逆算」「利得上限」)を除いて計算します。「上限」「下限」のマークが付いていても、その率で損害額が計算された判例は集計に含めています。除いた判例も、判例一覧には従来どおり表示しています。

この変更で集計値の表示が少し変わりました(例:特許権・2024〜2025年の平均 4.7% → 4.4%)。

点検の結果は、判例ごとに「判決原文のどの記載に基づくか」まで記録して保管しています(一般公開はしていませんが、根拠のご照会はお問い合わせフォームから可能です)。

収録件数への影響

2026年4月26日の訂正により、公開件数は 227 件 → 225 件(裁判例分)に変更されました(収録停止 2 件分)。同時に追加した 2 件(JP2020-H29W18010 / JP2021-R3N10020)は料率欄のみ空欄化し、判例情報自体は収録を維持しているため、件数の変動はありません。

この 4 月の見直しでは、経産省アンケート調査データ(当時 148 件)を対象としていませんでした。上記のとおり、当時すでに 2025年調査の特許 8 分類に誤りが含まれており、4 月の見直しではこれを検出できていません。

2026年7月17日の更新では、上記の 2025年調査 8 分類の料率訂正・27 分類の追加・2010年調査 特許権データの差し替えを行いました。裁判例分は 4 月以降の収集により 225 件 → 228 件、経産省アンケート調査分は 148 件 → 166 件(2025年 +27件・2010年 34件→25件)となります。

ご利用にあたって

本データベースの数値は参考情報です。ライセンス交渉・訴訟対応・社内稟議等の実務でのご利用に際しては、必ず各判例の出典リンクから判決原文をご確認ください。今後新たに訂正が発生した場合は、本ページに追記します。