TMマークとは? ®(Rマーク)との違いを弁理士がわかりやすく解説【商標登録との関係も】

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TMとはtrademarkの略です。trademarkとは日本語で商標という意味です。また、Ⓡとはregistered trademarkの略です。registered trademarkとは日本語で登録商標という意味です。

この記事では、商標登録の専門家である弁理士が、TMマークとⓇ(R)マークの違いや使い方を、実際の商品の写真を交えてわかりやすく解説します。

TMマークは、TMマークを付ける対象が登録商標であるか否かに関係なく使えるのに対し、Ⓡマークは、Ⓡマークを付ける対象が登録商標でなければならない点で相違します。一方、TMマークや®マークを付ける位置は自由な点で両者は共通します。

TMマークの意味

TMマーク例:森永製菓のDARS
▲ TMマークが付けられた商品|森永製菓のDARS
TMマーク例:スターバックスのカフェラテ
▲ TMマークが付けられた商品|スターバックスのカフェラテ

TMとはtrademarkの略です。trademarkとは日本語で商標という意味です。商標という言葉の通り、TMマークが付された対象(例えば、文字やロゴなど)が商標であることを示します。

TMマークが付された商標は、一般的に、商標登録の「出願前」や「出願中」のものが多いです。ただし、商標登録をする予定がない場合でも、名前やロゴを自社の商標として使っていますという意思を示す目的で、TMマークを付けるケースもあります。

ポイント:TMマークは「その名前やロゴを商標として使っています」という意思表示を示すだけで、商標登録されているかどうかまでは示していません。

Ⓡ(R)マークの意味

Ⓡマーク例:ネスレのキットカット
▲ Ⓡマークが付けられた商品|ネスレのキットカット
Ⓡマーク例:江崎グリコのポッキー
▲ Ⓡマークが付けられた商品|江崎グリコのポッキー

Ⓡとはregistered trademarkの略(登録商標)です。Ⓡマークが付された対象(文字・ロゴなど)は登録商標であることを意味します。登録が認められていない商標に®マークを使うことは法律で禁じられています。

TMマークとⓇマークの主な相違点と共通点

相違点1:TMは自由に使用可、®は登録商標のみ

TMマークは、対象が登録商標かどうかに関係なく使えます。一方、Ⓡマークは登録商標にのみ使用可です。

共通点:付ける位置は自由

TMマークやⓇマークを付ける位置に明確な取り決めはありません。一般的には、商標の右下または右上に付けられることが多いです。

身の回りの事例で理解を深める

ここまで、TMの意味と、TMマークとⓇマークの相違点・共通点を解説しました。要点は次のとおりです。

  • TM:その表示が「商標」であることを示す(商標登録の有無は不問)
  • Ⓡ(R):登録商標であることを示す(商標登録でないと使用不可)
  • 位置は原則自由(右上/右下が一般的)

コンビニで売っている馴染みの商品にもTMやⓇが付いています。実物で確認してみると、理解がより確かなものになります。

ここまでTMとⓇの違いを整理しましたが、商標を実際のビジネスで使う場面では「この商標はどのくらい価値があるのか?」という視点も欠かせません。

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この記事を書いた人:弁理士・米田恵太(知育特許事務所)

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米田恵太
知育特許事務所 代表弁理士(弁理士登録番号:第16197号)。 中小企業や個人の方を中心に、商標価値評価(簡易RFR)や 3Dプリント試作×知財戦略のサポートを行っている。商工会議所、金融機関、各種業界団体などでの講演実績も多数。 幼い頃、大切にしていたガンダムのカードをパクられた経験から、「大切なものをパクられないようにする」ために特許・商標・意匠などの知的財産の取得支援を行うとともに、取得した知財の価値を実感できるよう「守るだけでなく活かす」ことを重視している。 支援先は、メーカー、スタートアップ企業、個人発明家、デザイン会社、 マーケティング会社、ミシュラン掲載の飲食店など多岐にわたり、アイデアの保護や出願、3D試作、価値評価など、案件ごとに必要な部分を組み合わせてサポートしている。