ドメイン取得時に商標トラブルを防ぐ3つの対策

取得したドメイン名や取得しようと考えているドメイン名と同じや似たネーミングの商標が存在すると、場合によっては商標のトラブルに発展する可能性があります。

ドメイン取得時に商標のトラブルを防ぐためには、先ずは、取得したドメイン名や取得しようとしているドメイン名について商標の調査をすることです。そして、調査結果に応じて、商標を取得したり、ドメイン名をホームページ上にも表示させるのかを検討したりします。

ドメインの商標トラブルを回避する3つの対策

ドメインの商標トラブルを回避するには、3つの対策があります。1つ目は、取得したドメイン名や取得しようとしているドメイン名について商標の調査をすることです。2つ目は、商標の調査結果に応じて商標を取得することです。3つ目は、商標の調査結果に応じて、ドメイン名をホームページ上に表示するのかを決めることです。

ドメイン取得時の商標トラブルを防ぐには先ずは商標調査から

他人に商標が取得されているネーミングと同じか似たドメイン名を使用すると、場合によっては、商標のトラブルに発展する可能性があります。そのため、取得したドメイン名や取得しようと考えているドメイン名について、商標が取られているのかを調査する必要があります。

ドメイン名と同じ商標があるか調べる

商標トラブルを防ぐための商標調査としては、先ずは取得したドメイン名や取得しようとしているドメイン名と同じ商標があるか調べます。商標を調べるには、無料で使えるデータベースの特許情報プラットフォームを使いましょう。

引用:特許情報プラットフォーム|トップページ

ドメイン名として選んだ文字列と同じ商標があるか調べる

ドメイン名について調査するとともに、取得したドメイン名や取得しようとしているドメイン名として選んだ文字列と同じ商標があるか調べます。例えば、www.○○○.co.jpやwww.○○○.ne.jpとのドメイン名であれば、○○○の文字列と同じ商標があるか調べます。www.○○○.jpやwww.○○○.comなどのドメイン名であれば、○○○の文字列と同じ商標があるか調べます。

ドメイン名と似た商標があるか調べる

ドメイン名と同じ商標があるか調査したら、次は、ドメイン名に似た商標があるか調査します。また、ドメイン名として選んだ文字列(例えば、www.○○○.co.jpの○○○部分)に似た商標があるか調査します。同じ商標が存在しない場合でも、似た商標が存在すれば、商標のトラブルに発展する可能性があるからです。

ドメイン名に関して商標を取得する

商標調査によって、ドメイン名やドメイン名として選んだ文字列(例えば、www.○○○.co.jpの○○○部分)と同じや似たような商標が見つからなかった場合には、ドメイン名やドメイン名として選んだ文字列(上記の○○○)について商標を取得すると良いでしょう。

商標調査をした時点で、同じか似たような商標が存在しなかった場合でも、その後、他人に商標が取られてしまうと、商標のトラブルに発展する可能性もあります。そのため、商標を取得することで商標トラブルを回避しましょう。商標が取得できるか否かの判断に迷う場合には、弁理士に相談しましょう。

商標の取得により類似ドメインの対策になることも

ドメイン名として選んだ文字列(例えば、www.○○○.co.jpの○○○部分)について商標を取得できると、類似ドメインの対策になる場合もあります。例えば、ある人が、www.○○○.comとのドメインを取得する時に商標調査をし、○○○との商標が取られていたことを知ったらどうでしょうか。

「商標が取られているのか。このドメイン、使っても大丈夫かなぁ。」「どうしたらいいんだろう・・・。」「それならいっそ、ドメインを取得するのをやめとこうか。」などのように、商標が取られていることで、Aさんは類似ドメインを取得するの躊躇するかもしれません。このように商標を取得することで、他の人が類似ドメインを取得しようとする時に牽制できる場合もあります。

ドメイン名をホームページ上に表示するか決める

ドメインを取得した人の中には、ドメイン名そのものや、ドメイン名の一部を漢字に変えるなどしてサイトの名称などとしてホームページ上に大きく表示させて使いたいという場合があります。

引用:DMM.com|トップページ
▲ ドメイン名そのものを表示させた例(※小文字のドメイン名の一部を大文字で表示)
(dmm.comとのドメイン名をサイト上でDMM.comと表示)
引用:価格.com|トップページ
▲ ドメイン名の一部を漢字に変えたものを表示させた例
(kakaku.comとのドメイン名をサイト上で価格.comと表示)

このような使い方をする場合、商標のトラブルに発展する場合があります。因みに、DMM.comについては、DMM.comとの商標(商標登録第5948841号)など、価格.comについては、ドメイン名と同じkakaku.comとの商標(商標登録第5481171号)や価格.comとの商標(商標登録第5481172号)などが取得されており、商標のトラブルを防いでいます。

ドメイン名をホームページ上に表示しないと決める必要がある場合

商標調査によってドメイン名と同じか似たような商標がある場合には、ドメイン名をホームページ上に表示するのをやめましょう。ホームページ上に表示してしまうと、商標のトラブルの原因になります。また、ドメイン名と同じや似たような商標が現時点で存在しなくても、商標の取得をしない場合には、ドメイン名をホームページ上に表示するのを避けましょう。後日、他人が、ドメイン名と同じか似たような商標を取得した場合には、商標のトラブルのもとになるからです。

ドメイン名をホームページ上に表示すると決めても良い場合

商標調査によってドメイン名と同じや似たような商標がなく、更に商標の取得もする場合には、ドメイン名をホームページ上に表示しても良いでしょう。ただし、商標を取得できてからドメイン名をホームページ上に表示した方がより安全です。

ドメインの商標トラブルを防ぐために商標調査からはじめよう

ドメインに関する商標トラブルを防ぐための3つの対策を説明してきました。商標トラブルを防ぐために、先ずは商標調査からはじめましょう。そして、商標調査の結果、同じか似たような商標がない場合には、商標を取得することで、ドメインに関する商標のトラブルを防止できます。

一方、取得したドメイン名や取得しようと考えているドメイン名と同じか似たような商標がある場合には、ドメイン名をホームページ上に表示するのは止めましょう。こうすることで、ドメインに関する商標のトラブルの芽をある程度摘み取ることができます。

また、商標調査がきちんと行えているかや、取得したドメインなどと他人の商標が似ているか否かについて心配な場合には、弁理士などの専門家に相談してみましょう。ドメインに関する商標トラブルの火種がある場合には、火種を早急に見つけて対処することができます。

ABOUTこの記事をかいた人

弁理士。当サイトの運営責任者。幼い頃、大切にしていたガンダムのカードをパクられた経験から、大切なものをパクられないようにすべく、特許や商標などの知的財産で大切なアイデアなどを守ったり、活用したりするサポートをしています。 商工会議所、商工会、金融機関、企業など各種業界団体での講演実績も多数。 支援先は、メーカー、スタートアップ企業、個人発明家のみならず、デザイン会社、マーケティング会社、ミシュランに掲載の飲食店など多岐にわたっています。