初心者必見!特許の申請の方法と知っておきたい5つのこと

弁理士の米田です。

あなたは、「特許を取ってもいいのでは?」と思うアイデアや商品を考えたのではないでしょうか。せっかく考えたアイデアや商品を他の人に真似されたくないものですよね。

でも、特許を申請したことがないと、申請の方法などわからないことが多いと思います。

そこで、今回は、特許を申請するための2種類の方法と、特許を申請する際に知っておきたいことをお伝えします。ぜひ、参考にして下さい。

1.特許を申請する方法

特許を申請する方法には、自ら書類を作成して手続きをする方法と、専門家に手続きを依頼する方法があります。

では、それぞれの方法について、みていきましょう。

1-1.自分で申請する方法

まず、自分で特許を申請する方法についてです。

(1)似たアイデアや発明がないか調べる

特許の申請書類を作成する前に、まずはあなたのアイデアと似たものがあるかを調べましょう。既にあるアイデアや発明と同じものを申請しても特許が認められません

無料で使えるデータベース特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を使って似たようなアイデアがないか調べてみましょう。

特許情報プラットフォームの使い方は、このデータベースを提供する独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供するガイドブック特許・実用新案検索を参考にするといいでしょう。

(2)特許の申請書類を作成する

調査をしてあなたのアイデアと似たアイデアがなければ、特許の申請書類を作成していきましょう。調査の結果、極めて似たアイデアがあった場合は、申請を諦めるのも1つの方法です。

どうしても諦めきれない場合は、アイデアを煮詰めて、よりオリジナリティーの高いアイデアにした上で申請書類の作成に取り掛かりましょう。

作成する申請書類は、
•  願書(特許を申請する人の名前や住所などを書いた書類)
•  明細書(特許を申請するアイデアや発明を具体的に文章で説明した書類)
•  特許請求の範囲(特許を申請するアイデアや発明のエッセンスを文章で説明した書類)
•  要約書(特許を申請するアイデアや発明を簡単に文章で説明した書類)
•  図面(特許を申請するアイデアや発明を図で説明した書類)
この5種類です。各書類の作成方法の詳細は複雑なので、ここでは割愛します。

注意事項
•  願書の氏名や住所は、明細書などの他の書類とともに、誰でも見ることができる文書に掲載されます。氏名や住所が掲載されても問題ないか、特許を申請する前に確認しておきましょう
•  図面は必須の書類ではありませんが、図面が作れる場合は作成しましょう。文章だけでは説明しにくいアイデアや発明でも、図面があれば説明しやすくなります

(3)申請書類を特許庁に提出する

申請書類が完成したら、次は申請書類を特許庁に提出します。提出方法は、郵送する方法持参する方法インターネットを使う方法の3つがあります。

なお、郵送する場合又は持参する場合は、14,000円分の特許印紙郵便局又は特許庁で購入可能)を願書に貼っておきます。

特許印紙を置いてない郵便局が多いので、近くの郵便局に問い合わせて確認するとよいでしょう。特許庁で購入する場合は、申請書類を提出する窓口のそばで特許印紙を購入できます

では、それぞれの方法を見ていきましょう。

①郵送する場合

まずおすすめしたいのが、郵送の方法です。作成した申請書類一式を封筒に入れて次の宛先に郵便で送ります。

〒100‐8915
東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
特許庁長官 宛

郵便局の窓口で封筒に押される消印(日付印)の日付が特許の申請日となります。消印がかすれる等して日付がわからない場合は、特許庁に書類が到着した日が申請日になります。特許の申請は早い者勝ちなので、できるだけ申請日が早い方が望ましいです。

そのため、郵便局の窓口に提出した日を証明できる簡易書留、書留、特定記録郵便などを利用するとよいでしょう。また、封筒の表面に出願関係書類在中と朱書きして、郵便物の取違を防ぎましょう。

郵便物として扱われないゆうパック、ゆうメールなどで書類を送ると、法律上、特許庁に書類が到着した日が特許の申請日になります。郵便物として扱われないゆうパックなどは避けましょう
②持参する場合

東京近郊の人におすすめなのが、持参する方法です。申請書類一式の他に本人確認できる免許証などを持って特許庁に行きます。特許庁に入館するためには、免許証などの身分証を提示するなど一定の手続きが必要です。

特許庁に行く前に特許庁のホームページの入館方法を確認しておくと安心です。

特許庁に入館できたら、1階南側の出願課受付カウンターに申請書類一式を提出しましょう。なお、受付時間は平日9時から17時です。

③インターネットを使う場合

インターネットを使って申請したい場合は、各地の知財総合支援窓口にある専用のパソコンを借りてインターネットで申請をします。支援窓口の担当者が特許の申請を無料でサポートしてくれます。

最寄りの知財総合支援窓口にインターネットでの特許の申請ができるか確認してみましょう。知財総合支援窓口にあるパソコンで特許の申請ができる場合には、次のものを用意する必要があります。

個人で特許の申請をする場合(次の2つのどちらか)
•  マイナンバーカード
•  住民基本台帳カード(有効期限内のもの)

いずれのカードも持っていない人は、マイナンバーカードを申請しましょう。住民基本台帳カードは交付が終了しています。マイナンバーカードを申請する方法は、マイナンバーカード総合サイトで確認しましょう。

マイナンバーカードを受け取る際に設定するパスワードは、インターネットで特許の申請をする際に必要となります。設定したパスワードを忘れないようにしましょう。忘れてしまった場合には、住民票がある市区町村の窓口で再設定してパスワードを確認して下さい。
法人として特許の申請をする場合
•  商業登記に基づく電子証明書

法人として特許を申請したい場合には、商業登記に基づく電子証明書が必要です。電子証明書がない場合には、法務省のHPの「電子証明書取得のご案内」を確認して電子証明書を取得しましょう。なお、電子証明書に設定したパスワードインターネットで特許の申請をする際に必要となります。

マイナンバーカードなどの準備ができたら、知財総合支援窓口に連絡をして、インターネットで特許の申請をしたい旨を伝えて特許の申請をする日時を予約しましょう。そして、窓口担当者のサポートを受けて特許を申請しましょう。

当日の持ち物
 wordで作成した願書、明細書、特許請求の範囲、要約書の電子データ
•  ビットマップ又はJPEG形式で保存した図面の電子データ又はA4の紙で作成した図面
•  マイナンバーカード、住民基本台帳カード、電子証明書のいずれか1つと設定したパスワード
•  特許の申請費用(14,000円)※特許庁に払う費用
※電子データはUSBメモリに保存して持参しましょう。

専用のソフトを自宅のパソコンなどにインストールして自宅で特許の申請をする方法もありますが、初心者の方には、申請を無料でサポートしてくれる知財総合支援窓口の利用をおすすめします。

(4)費用を振り込む

郵送する方法又は持参する方法で申請書類を提出した人は、申請書類の提出日から1~2週間以内に振込用紙が送付されます。

振込金額は、1,200円+700円×(申請書類の枚数)です。申請書類の枚数が7枚ならば6,100円です。この費用は、紙で提出した書面を電子化するための手数料となります。インターネットを使って申請した場合には、この費用はかかりません

注意事項
•  振込用紙は一般財団法人工業所有権電子情報化センターから送られます。特許庁からではありません
•  振込用紙が送られたら直ぐに振り込みましょう。振込が遅くなると、特許申請が認められなくなることがあります。

以上が、自分で特許の申請をする方法です。

1-2.専門家に依頼する方法

次に、専門家に特許の申請を依頼する場合はどうでしょうか。具体的にみていきましょう。

(1)依頼する弁理士を決める

専門家に特許の申請を依頼する場合は、特許の申請を専門としている弁理士を探す必要があります。例えば、次のようにして弁理士を探す方法があります。

①知人の紹介

知人に弁理士を紹介してもらう方法があります。知人が利用している弁理士なら安心感があります。また、紹介のお客さんならば、通常のお客さんより弁理士が丁寧に対応してくれることもあります。

②インターネットで特許事務所を検索する

特許に関する事を検索し、表示された特許事務所のウェブサイトから弁理士を探す方法もあります。特許に関する事項が初心者にもわかりやすく説明してあるウェブサイトを運営している特許事務所に問い合わせをしてみるのもよいでしょう。

③弁理士検索サイトを利用する

弁理士が所属する日本弁理士会が運営する「弁理士ナビ」で弁理士を探す方法もあります。近くにいる弁理士を素早く探したい場合に使ってみるのもいいでしょう。

④無料相談を利用する

日本弁理士会の無料相談知財総合支援窓口の無料相談を担当する弁理士に特許の申請について相談をしてみて、相性が良さそうならば、その弁理士に依頼するのも1つの方法です。

(2)面談の準備をする

依頼する弁理士が決まったら、弁理士に連絡をして、打ち合わせの日時を調整しましょう。そして、考えたアイデアや発明などを弁理士に説明する資料を準備しましょう。

資料としては、
 作製した物があれば実物(持ち運びできない場合は実物の写真や動画
 考えたアイデアなどを説明する図(手書きでも問題ありません)
などがよいでしょう。図を作れない場合は、文章にまとめてもよいでしょう。

資料があると、弁理士との打ち合わせをスムーズに進めることができます。相談料が有料の場合は、打ち合わせ時間を短くでき、相談料を抑えることができます。

どうしても資料が作れない場合は、どのようなアイデアを考えたのか口で説明できるように、一度、アイデアを整理してみましょう

(3)弁理士と面談する

資料を準備したら、打ち合わせの日時に弁理士と打ち合わせをします。打ち合わせでは、弁理士が色々な質問をします

例えば、
「どのようなアイデアを考えたのですか?」
「あなたのアイデアで実現したいことは何ですか?」
「今までなぜ、それが実現できなかったのですか?」
「〇〇と言われるのは、△△という意味ですか?」
「図にある□□は、何のためにあるのですか?」
「図のこの部分は、××のような構造でもいいですか?」
など、弁理士が様々な質問を投げかけますので、その質問に丁寧に答えてあげて下さい

弁理士が質問して、その質問に対するあなたの回答を聞くことで、弁理士はあなたのアイデアや発明に対する理解を深めていきます。このやり取りで弁理士があなたのアイデアや発明に対してどれだけ深く理解できたかにより、弁理士が作成する特許の申請書類の良し悪しが変わってきます

そのため、弁理士のどんな質問に対しても真摯に回答してください

弁理士には法律上、守秘義務が課されています。打ち合わせで話したあなたのアイデアなどを外部に漏らすこと禁止されています。安心して弁理士と打ち合わせして下さい

また、打ち合わせで、あなたのアイデアや発明と似たものが世の中にあるかどうかを調査することを勧められる場合があります。同じようなアイデアが既にあれば特許が認められず、申請費用が無駄になるからです。一方、調査せずに特許の申請書類を作成するケースもあります。

調査をすべきか否か、打ち合わせの際に弁理士に相談してみてもよいでしょう。

 (4)調査結果を待つ

弁理士との打ち合わせで調査をすることになれば、弁理士から調査結果が送られます。調査の結果、同じようなアイデアや発明がない場合は、弁理士に特許の申請書類の作成を依頼します。

調査の結果、似たようなアイデアや発明がある場合には、弁理士に相談して申請をするかを決めるとよいでしょう。

(5)申請書類の案文を待つ

弁理士に特許の申請書類の作成を依頼すると、後日、弁理士から申請書類の案文が送られます。案文を読んで、あなたのアイデアや発明がきちんと書かれているかを確認しましょう。間違いなどがある場合には、遠慮せずに弁理士に修正を依頼しましょう。

(6)申請書類の提出を依頼する

弁理士が作成・修正した案文に問題がない場合は、弁理士に申請書類を特許庁に提出するように依頼しましょう。依頼を受けると、弁理士がインターネットで申請書類を提出して、特許の申請の手続きが完了します。

以上が、弁理士に依頼をして特許を申請する方法です。

2.特許の申請後の流れ

特許を申請しても、それだけでは特許を取ることはできません。特許を申請してから特許を取るまでの主な流れをみてみましょう。

2-1.審査請求

特許の申請後に、まず、特許が認められるかを特許庁に審査してもらうために審査を請求する手続きが必要となります。

2-2.審査結果の通知

審査の請求後、暫くすると、審査の結果が通知されます。多くの場合、特許が認められないとの通知を受けます。例えば、同じアイデアがあるので特許が認められないとの通知を受けます。

2-3.審査結果に対して応答

特許が認められないとの通知に対して、申請書類を直して特許が認められるべきことを説明します。そして、再度、特許が認められるか審査をしてもらいます。

暫くすると審査結果が再び通知されます。通常、このようなやり取りを1~2回、行います。問題がなければ、特許を認めるとの通知がなされます。

2-4.料金納付

特許を認めるとの通知がなされた後、特許の登録料を納付します。納付して1~2週間すると特許が登録されます。この状態になって、初めて特許が取れたことになります

3.特許が取れるまでにかかる時間

では、特許が取れるまでにどのくらいの時間がかかるのでしょうか。

3-1.特許の申請が完了するまでにかかる時間

特許の申請が完了するのにかかる時間は一概には言えませんが、弁理士に依頼する場合は、早ければ最初の打ち合わせから1か月以内に申請を完了することができます。

3-2.特許の申請後から特許が取れるまでの時間

(1)普通に審査をしてもらう場合

特許の申請後から特許が取れるまでの時間も一概に言えませんが、特許の申請をして直ぐに審査請求をしたとすれば、順調にいけば1年3か月くらいで特許を取ることができます。

審査の請求をして最初の審査結果が出るまでの時間が、2015年のデータでは、平均9.5か月です。

特許行政年次報告書2016年版 統計・資料編 P.12より引用

そのため、特許の申請後、直ぐに審査請求をしたとすれば、申請後から10か月以内に最初の審査結果が出る見通しになります。

しかし、多くの場合、最初の審査結果で特許が認められません。よって、最初の審査結果を踏まえて申請書類を直すなどして、再び審査をしてもらいます。この手続きを行う期間が2か月と設定されています。

再度、審査をしてもらってから2回目の審査結果が出るまでの期間は、明確なデータはありません。そのため、この期間を経験則的に2か月とし、2回目で特許を認めるとの通知が出たとすると、その後の手続きを考慮して、申請から1年3カ月くらいで特許を取ることができることになります。

以上が、普通に審査をしてもらう場合にかかる時間です。

(2)早く審査をしてもらう場合

一方、特許を申請する人が個人や中小企業などの場合は、通常よりも早く審査を進めることができる制度があります。この制度を利用することで、特許の申請から早くて数か月~1年以内に特許を取ることができます。

4.特許を取るまでにかかる費用

では、特許が取れるまでにどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

4-1.自分で申請する場合

自分で手続きをする場合には、特許の申請時審査の請求時特許の登録時の3つの時点において、費用が必要となります。

(1)特許の申請時

特許の申請の際に14,000円がかかります。

(2)審査の請求時

特許の申請後に特許庁に審査を請求するために、13~16万円程度の費用がかかります。具体的には、118,000円×(4,000円×請求項の数)かかります。

請求項の数は、2015年のデータでは、平均10.2です。

特許行政年次報告書2016年版 統計・資料編 P.14より引用

そのため、請求項の数を10として計算すると、158,000円です。16万円くらいが相場でしょう。

早く審査をしてもらう場合
早く審査をしてもらう場合、特別に支払う費用はありません。ただし、審査を請求するための費用118,000円×(4,000円×請求項の数)は支払う必要があります。

(3)特許の登録時

特許を登録する際には、1万円前後の費用がかかります。具体的には、特許の登録の際に1~3年分の登録料を一括して納付します。各年2,100円+200円×(請求項の数)の費用がかかります。請求項の数を10として計算すると、1~3年分で合計12,300円となります。

特許を登録する際に支払う費用ではありませんが、特許を登録して4年目以降に支払う費用は、4~6年目、7~9年目、10~20年目の順に高くなります。具体的には、次の通りです。

4年目以降の費用
•  4~6年目   各年6,400円+500円×(請求項の数)
•  7~9年目   各年19,300円+1,500円×(請求項の数)
•  10~20年目 各年55,400円+4,300円×(請求項の数)

(4)自分で申請する場合の費用のまとめ

インターネットを使って特許の申請~登録までの手続きをする場合は、電子化の手数料が不要です。この場合、順調ならば特許を取るまでに19万円前後の費用がかかります。

審査の状況が思わしくない場合には、上記より費用がかかることもあります

一方、書類を特許庁に郵送又は持参して特許の申請~登録までの手続きをする場合は、更に電子化の手数料が必要となります。電子化手数料は一概にはいえませんが、特許の申請~登録までに2~4万円程度かかります。そのため、順調ならば特許を取るまでに21~23万円前後の費用がかかります。

電子化手数料
•  
書類を特許庁に郵送又は持参する方法で手続きをする場合は、紙で提出した書面を電子化する手数料1,200円+700円×(申請書類の枚数)かかります。
•  特許の申請時審査請求時特許の登録時の手続きを書面でする場合や、審査結果に対して申請書類を直す手続きを書面でする場合なども電子化手数料が必要となります。

4-2.弁理士に依頼する場合

弁理士に依頼する場合にかかる主な費用としては、時系列的に、およそ次のように分類できます。

(1)特許の申請までにかかる費用

特許の申請の打ち合わせから特許を申請するまでにかかる費用です。調査の有無などにより変わってきますが、相場としては、25~45万円ぐらいでしょう。

(2)審査の請求時にかかる費用

審査請求の手続きをする弁理士に支払う手数料と審査をしてもらうために特許庁に支払う費用です。弁理士に支払う手数料としては、1~2万円が多いでしょう。これに特許庁に支払う費用(16万円前後が相場)が必要となります。

早く審査をしてもらう場合
早く審査をしてもらう場合は、弁理士に支払う手数料(通常、1~3万円前後)が追加で必要となります。一方、特許庁に追加で支払う費用はありません

(3)特許が認められないとの審査結果が出た時にかかる費用

特許が認められないとの審査結果が出た際に、申請書類を直して、特許が認められることを説明する書類を作成するなどの手続きをする弁理士に支払う手数料です。相場としては、1回の手続きに12~20万円ぐらいが多いでしょう。

この手続きは、通常1~2回、行います。2回行う場合は、24~40万円程度の費用がかかります。

(4)特許を登録する際にかかる費用

1つが、特許を認めるとの審査結果が出た際に、特許を登録する手続きをする弁理士に支払う手数料と特許を登録してもらうために特許庁に支払う費用です。弁理士に支払う手数料としては、1~2万円が多いでしょう。これに、特許庁に支払う費用(1万円前後が相場)が必要となります。

もう1つが、特許を取得できた際に成功報酬として弁理士に支払う費用です。相場としては、10~20万円ぐらいが多いでしょう。

(5)弁理士に依頼する場合の費用のまとめ

弁理士に依頼する場合は、特許を取るまでにかかる費用の相場として、80~100万円前後のケースが多いでしょう。一般的な場合だと、自分で申請する場合よりも60~80万円ほど費用がかかります

弁理士により独自の料金体系を採用している場合もあります。費用については依頼する弁理士に十分確認しましょう

4-3.軽減措置を利用する場合

申請して特許を取るまでの手続きを自分で行っても少なくとも19万円前後の費用が必要になります。決して安くはない金額です。

そこで、特許庁に対して費用の軽減の申請をして費用を抑える方法があります。

(1)審査請求の費用

相場が16万円前後の審査請求の費用を3分の1に軽減できます。そのため、審査請求の費用が6万円をきり、10万円程度安くなります。ただし、軽減措置を利用する人が一定の個人事業主や一定の中小企業である必要があります。

(2)登録料の費用

相場が1万円前後の特許の登録費用を3分の1に軽減できます。審査請求の費用よりお得感はないですが、費用を抑えることができます。ただし、軽減措置を利用する人が一定の個人事業主や一定の中小企業である必要があります。

なお、登録料は、1~3年分のみならず、10年分までの費用が3分の1に軽減できます。

軽減措置は、平成26年4月から平成30年3月までに審査請求を行う場合が対象です。

軽減措置の手続きを自分で行う場合には、特許庁のHPを確認しましょう。特許の申請を弁理士に依頼する場合は、弁理士に確認してみましょう。弁理士に依頼する場合は、手数料(1~3万円程度)がかかることが多いでしょう。

5.自分で申請する場合のメリットとデメリット

以上を踏まえて、自分で特許を申請する場合のメリットとデメリットをみていきましょう。

5-1.自分で特許を申請するメリット

(1)費用が抑えられる

自分で特許を申請する一番のメリットは、特許の申請にかかる費用を抑えることができる、という点にあります。

特許を申請するまでならば、電子化手数料を入れても多くの場合、3万円以内に費用を抑えることができます。

(2)特許を申請するための知識・ノウハウが蓄積される

特許の申請を一通り経験することで、特許を申請するための知識・ノウハウを蓄積できます。

また、特許の申請後に審査請求をすることで、自ら作成した申請書類が審査でどのように扱われるか実際に体験することができます。このような体験を通じて特許を取るためのノウハウを蓄積することもできます。

5-2.自分で特許を申請するデメリット

(1)申請書類の不備により特許が取れない

自分で作成した申請書類の不備のせいで、特許が取れるはずのアイデアや発明なのに特許が取れなくなる場合があります。

(2)調査不足による無駄な申請

特許を申請する前の調査が不十分なため、同じアイデアなどが既に世の中にあることを知らずに特許を申請してしまう場合があります。この場合、申請の費用と時間を無駄にしてしまいます。

(3)時間と手間がかかる

特許を申請するためには、特許を申請する前に調査をしたり、申請書類を作成したりと、様々な作業があります。そのため、慣れていないと、時間と手間がかかります

6.弁理士に依頼する場合のメリットとデメリット

次は、弁理士に特許の申請を依頼するメリットとデメリットです。

6-1.弁理士に特許の申請を依頼するメリット

(1)面倒な作業を全部やってもらえる

調査、申請書類の作成、申請書類の提出などの面倒な作業を弁理士にやってもらうことができます。そのため、打ち合わせをして弁理士が申請書類の作成に取り掛かることができれば、あとは、弁理士が作成した申請書類の内容を確認するだけで済みます。

(2)適切な申請書類を作成してもらえる

弁理士に依頼することで、あなたが考えたアイデアに応じた適切な申請書類を作成してもらえます。そのため、申請書類の不備のせいで、特許が取れるはずのアイデアや発明なのに特許が取れなくなる事態を防ぐことができます。

(3)無駄な申請をするのを回避できる

弁理士に調査を依頼することで、適切な調査が期待できます。そのため、申請する前に同じアイデアが発見された場合には、特許の申請を見送ることもできます。

6-2.弁理士に特許の申請を依頼するデメリット

(1)費用がかかる

弁理士に依頼する最大のデメリットは、費用がかかることです。特許を申請するだけでも25~45万円の費用がかかってしまうことが多いでしょう。

(2)手続きを弁理士に丸投げしてしまう

手続きを弁理士に丸投げすることで、特許の申請の知識・ノウハウが身に付かないことがあります。そのため、依頼している弁理士の仕事ぶりを適切に評価できないこともあるでしょう。

(3)弁理士を探すのに手間がかかる

弁理士に依頼したことがない人ならば、信頼できる弁理士を探すまでに手間がかかるでしょう。

7.まとめ

いかがでしょうか。特許を申請するための2つの方法、申請後の流れ、特許を取得するまでの時間と費用、2つの申請方法のメリットとデメリットについて解説しました。

特許を申請してみたいけど、何から始めていいかわからないという人は、今回の記事を参考に、自分で特許を申請するか、特許の申請を弁理士に依頼するかを考えてみて下さい

この記事がお役に立てれば幸いです。

ABOUTこの記事をかいた人

米田恵太

弁理士。当サイトの運営責任者。幼い頃、大切にしていたガンダムのカードをパクられた経験から、大切なものをパクられないようにすべく、特許や商標などの知的財産で大切なアイデアなどを守ったり、活用したりするサポートをしています。 商工会議所、商工会、金融機関、企業など各種業界団体での講演実績も多数。 支援先は、メーカー、スタートアップ企業、個人発明家のみならず、デザイン会社、マーケティング会社、ミシュランに掲載の飲食店など多岐にわたっています。