他人の特許に抵触しているかを簡易に判断するためのポイント

他人の特許に抵触しているのかを簡易にチェックするには、先ず、抵触している疑いがある特許の文献を全て集めます。そして、集めた各文献の特許の内容を正確に理解した上で、自分の商品やサービスが特許で守られているアイデアを使っているのかを検討します。

自分の商品やサービスが特許で守られているアイデアを使っていない場合には、特許に抵触していません。しかし、自分の商品やサービスが特許で守られているアイデアを使っている場合には、特許に抵触することになります。

他人の特許に抵触する条件(特許侵害になる条件)

自分の商品やサービスが特許で守られているアイデアを使っていると、他人の特許に抵触することになります(難しく言うと特許侵害になります)。そのため、他人の特許に抵触しているかを判断するためには、特許で守られているアイデアが何であるかを把握する必要があります。したがって、特許で守られているアイデアが書かれた特許の文献を集める必要があります。

先ずは抵触の疑いのある特許の文献を全て集める

他人の特許に抵触しているのかを判断するための第一歩が、抵触の疑いのある特許を全てリストアップすることです。

抵触の疑いがある特許を探すためのヒントを集める

「他人の特許に抵触しているかも?」と心配になるのには原因があるはずです。例えば、自分が扱っているものと同じような他社の商品やサービスに特許取得済みと書いてあるのを見た。または、知り合いから、同じような商品やサービスについて、○○の会社が特許を持っていると聞いた。その他にも、特許について調べていたら自社の商品やサービスなどと同じような特許を見つけた。場合によっては、特許を持っている相手方から警告状が届いたという場合もあるかもしれません。

「他人の特許に抵触しているかも?」と不安になった原因には、抵触の疑いがある特許を探すためのヒントがあります。例えば、特許を取得済みの製品名や特許を保有している会社名だったり、場合によっては抵触の疑いのある特許の番号が分かることもあります。このようなところから、抵触の疑いがある特許を探すためのヒントを集めます。

データベースで抵触の疑いがある特許の文献を集める

特許を探すためのヒントが集まったら、特許を無料で調べることができるデータベース(特許情報プラットフォーム(J-PlatPat))で抵触の疑いがある特許の文献を集めます。

特許情報プラットフォームのトップページ

引用:特許情報プラットフォーム|トップページ

特許を探すためのヒントで会社名が分かった場合には、その会社が保有する特許を調査します。また、特許を探すためのヒントとして抵触の疑いのある特許の番号が分かった場合には、特許の番号をもとに抵触の疑いのある特許の文献を集めます。

なお、特許の文献とは、特許公報と呼ばれるものです。表紙に特許公報と大きく表示されるとともに、特許第○○○○○号との番号が書かれたものです。公開特許公報ではないので、注意して下さい。

集めた各文献の特許の内容を正確に理解する

特許の各文献を集め終えたら、各文献の特許の内容を正確に理解します。特許で守られているアイデアの内容が分からないと、自分の商品やサービスが特許に抵触しているのか判断しようがないからです。

特許請求の範囲に書かれている内容を理解する

集めた各特許の文献には、特許請求の範囲という欄があります。特許請求の範囲に書かれているアイデアをそっくりそのまま使ってしまうと特許に抵触することになります。そのため、特許請求の範囲に書かれている内容を理解することが必要です。

例えば、昔に特許を取られたもので、揚げ出し豆腐の特許(特公H07-063335号)があります。この特許の特許請求の範囲には、「卵豆腐を油で揚げてなる揚げ出し卵豆腐。」と書かれています。

▲特許請求の範囲のイメージ図

卵豆腐を油で揚げるというアイデアについて特許が取られています。そのため、卵豆腐を油で揚げた揚げ出し卵豆腐というアイデアを使っている場合には、揚げ出し卵豆腐の特許に抵触することになります。ただし、この特許は既に権利が切れており、卵豆腐を油で揚げた揚げ出し卵豆腐というアイデアを使っても今は問題はありません。

特許請求の範囲の内容と自分の商品やサービスを比べる

特許請求の範囲に書かれている内容を理解したら、自身の商品やサービスと比較しましょう。特許請求の範囲に書かれているものと同じアイデアを使っている場合には、特許に抵触していることになります。

例えば、特許請求の範囲に「卵豆腐を油で揚げてなる揚げ出し卵豆腐。」とのアイデアが書かれているケースを考えてみましょう。厳密ではありませんが、卵豆腐ではなくて、絹ごし豆腐や木綿豆腐を油で揚げた揚げ出し豆腐であれば、特許に抵触しないことになります。

▲特許に抵触するか否かの凡そのイメージ

このように特許請求の範囲に書かれているアイデアと同じアイデアを使う場合には、特許に抵触することになります。そのため、特許の抵触を回避したい場合には、特許請求の範囲に書かれているアイデアの少なくとも一部を変える必要があります。ただし、厳密には、特許請求の範囲のアイデアの一部を変えても抵触になるケースもあるため、注意が必要です。

抵触する疑いのある特許の文献を収集して内容を確認しよう

今回は、他人の特許に抵触しているのかを簡易に判断するためのポイントをお伝えしました。先ずは、抵触の疑いのある特許の文献を収集し、集めた特許の文献の内容を正確に理解しましょう。

場合によっては、特許請求の範囲に書かれている内容が理解できず、どのようなアイデアか分からない場合もあるかもしれません。そのような場合に、簡易に判断してしまうと特許のトラブルにもなりかねませんので、弁理士などの専門家に相談するのをお勧めします。

ABOUTこの記事をかいた人

米田恵太

弁理士。当サイトの運営責任者。幼い頃、大切にしていたガンダムのカードをパクられた経験から、大切なものをパクられないようにすべく、特許や商標などの知的財産で大切なアイデアなどを守ったり、活用したりするサポートをしています。 商工会議所、商工会、金融機関、企業など各種業界団体での講演実績も多数。 支援先は、メーカー、スタートアップ企業、個人発明家のみならず、デザイン会社、マーケティング会社、ミシュランに掲載の飲食店など多岐にわたっています。