「画期的なアイデアを思いついた」「特許が取れるかもしれない」。その高揚感のまま、すぐに弁理士へ相談したくなる方もいらっしゃると思います。しかし、問い合わせる前に、一度立ち止まって「既に似た商品やサービスがないか」を確認することが重要です。
実は、ご相談いただく案件の多くが「Google検索やAmazonなどのECサイトで類似品が見つかった」という理由で、検討の結果、すぐに「権利化は不可」という結論になってしまいます。この「期待して相談したのに検索結果を見て即終わってしまう」という残念な結果は、スマホで「3分間のセルフチェック」をするだけど未然に防げます。
せっかくの相談を有意義な時間にするには、相談前に「既存のアイデア」を把握し、「自分のアイデアはどう違うか」を整理しておくことが不可欠です。「似たものがある」ことは失敗ではなく、むしろ需要がある証拠であり、そこからが本当のスタートです。
本記事では、弁理士に連絡する前に必ずやっておくべき、スマホで完結する3つの検索手順と、類似品が見つかった際に「特許取得の可能性」を高めるための考え方を解説します。
スマホで完結。やるべき3つのチェック手順
専門的な特許データベースを使う必要はありません。まずは普段お使いのスマートフォンで、以下の3つの検索を試してみてください。これだけで、アイデアの立ち位置が明確になります。
① Google検索:検索ワードの「組み合わせ」を3パターン試す
1つの言葉だけで検索して「見つからない!」と判断するのは早計です。実は、見つけ出すための「コツ」があります。
ここでは分かりやすく、仮に「切った爪が飛び散らない新しい爪切り」を思いついたとして、どのような言葉で検索すべきかシミュレーションしてみましょう。
ご自身のアイデアに置き換えながら、以下の3パターンを試してみてください。
- パターンA:「モノの名前」+「解決したい悩み」
- 同じ「困りごと」を解決しようとしている競合が見つかります。
- 例:「爪切り 散らばる」「爪切り 掃除 めんどう」
- パターンB:「モノの名前」+「仕組み・構造」
- 似たような「仕掛け」を使っている商品が見つかります。
- 例:「爪切り カバー」「爪切り ケース付き」「爪切り 吸引」
- パターンC:「言い換え(類義語)」で検索
- 別の呼び名で売られている商品が見つかります。
- 例:「爪切り」だけでなく、「ネイルニッパー」「ネイルケア」などで検索してみる。
この3パターンですべて検索しても、似たような商品が見つからなければ、そのアイデアは有望の可能性があります。
② 画像検索:「見た目」で探す(直感的に分かります)
①の検索結果が出たら、そのまま検索窓の下にある「画像」タブをタップして、画像一覧を見てください。これが強力な「ダブルチェック」になります。
なぜなら、文章で説明されるよりも、画像で「形」や「構造」を見たほうが、似ているかどうかが一瞬で判断できるからです。 画面をスクロールして、「あ、これ構造が似ているかも!」という写真が見つかったら、そのページをタップして詳細を確認します。文字検索では見落としていた類似品が、画像なら見つかることもあります。
③ Amazon / 楽天:「すでに売っていないか」を見る
Google検索では似たものが見つからなくても、Amazonや楽天などの「ECサイト」で見つかるケースもあります。
- Amazon
- 楽天市場
ここで似た商品が「すでに売られている」なら、そのアイデアは「すでに世の中にある」ことになります。しかし、ここで落ち込む必要はありません。次のステップが最も重要です。
「似たもの」が見つかったら、どうすればいい?
検索の結果、似たような商品やアイデアが見つかることはよくあります。 多くの人はここで「もうダメだ…」と諦めてしまいがちですが、実はここからが重要です。
「似たものがある」=「そこに需要(買う人)がいる」という証拠です。 市場がない(誰も欲しがらない)ものを発明するよりも、市場がある場所で勝負する方が、発明として世に出る確率は高まります。
もし類似品が見つかったら、以下の「3つのポイント」をメモに書き出してみてください。
【類似品との「違い」を整理するメモ】
見つけた競合商品に対して、以下の3点をメモに残してください。
- 類似品のどこが「惜しい」か? (重くて疲れる、掃除が面倒、子供には危ない…など)
- 自分なら「どう良くする」か? (形を少し変える、部品を減らす、カバーを付ける…など)
- そう直すことで、「誰がどう助かる」か? (高齢者でも楽に持てる、水洗いで終わる、ケガをしなくなる…など)
この「既存の商品にはない、あなただけの改善点」さえあれば、それは単なる類似品ではなく、立派な「改良発明」として特許取得の可能性が生まれます。
よくある質問
弁理士への相談前に、よくいただくご質問をまとめました。
Q1. 検索してみたら、よく似た商品が見つかりました。もう特許は取れませんか?
A. 諦める必要はありません。「改良発明」として権利化できる可能性があります。完全に一致している場合は難しいですが、記事内で紹介したように「ここが不便」「もっとこうしたら良い」という「改良点」があれば、その部分について特許を取得できる可能性はあります。
Q2. 自分で検索してみましたが、正しく調べられたか自信がありません…。
A. 完璧でなくても大丈夫です。「一度調べてみた」という事実が重要です。プロレベルの調査を求めているわけではありません。「自分なりに調べてみた範囲では、見当たらなかった(あるいは、これが見つかった)」という情報があるだけで、初回相談の密度は格段に上がります。詳細な調査は、必要に応じて弁理士などが行いますのでご安心ください。
Q3. まだ頭の中にある「アイデア段階」で、試作品などがなくても相談できますか?
A. はい、大歓迎です。弊所では「試作開発」のサポートも行っているため、アイデア段階からご相談いただけます。「頭の中にあるイメージをどう形にするか」という相談と、「それをどう特許にするか」という知財の相談を同時に進められるのが弊所の強みです。初期段階からトータルでサポートいたします。
結論:検索して「違い」が言えるなら、ぜひご相談ください
- スマホで検索しても、似たものが全く見つからなかった。
- 似たものはあったが、「決定的な違い」と「改良案」があり、それを説明できる。
ここまで確認できたアイデアは、特許を取得できるポテンシャルがあります。「単なる思いつき」ではなく「守るべき発明」として、弁理士が特許取得への道筋を具体的にアドバイスさせていただきます。
初回の無料相談(Web)
初回の無料相談をご予約の際は、フォームのご相談内容の欄に「検索で見つかった類似品との違い」を簡単に添えていただけますと、当日の回答がよりスムーズになります。
👉 無料相談(30分):状況に合わせて「アイデアをどこまで守るべきか・どう動き始めるか」を一緒に検討します。
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この記事を書いた人:弁理士・米田恵太(知育特許事務所)







