📜 判決文全文
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第1 当事者の求めた裁判
(1) 原判決中一審被告の敗訴部分を取り消す。
(2) 上記部分に係る一審原告の請求をいずれも棄却する。
附帯控訴の趣旨
(1) 原判決主文第1項ないし第3項を次のとおり変更する。
(2) 一審被告は、原判決別紙「被告商品の指定商品該当性」の「被告商品」欄記載の商品に関する広告、価格表若しくは取引書類を内容とする情報に、原判決別紙「標章目録」記載の標章を付して、インターネット上のホームページ、パンフレット及び看板等の広告を提供してはならない。
(3) 一審被告は、一審原告に対し、7116万1220円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(令和2年9月17日)から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 事案の要旨
(1) 本件は、本件商標権を有する一審原告が、一審被告に対し、一審被告がその管理するウェブサイトにおいて、被告標章を付して使用対価を支払うことなく被告商品に関する広告を提供する行為及びロボットの画像を展示する行為が、本件商標権の侵害に当たり、また使用対価相当額を法律上の原因なく
利得しているとして、商標法36条1項に基づき、上記使用行為の差止めを求めるとともに、民法709条に基づく損害賠償請求及び遅延損害金請求並びに同法703条、704条に基づく不当利得返還請求及び法定利息請求として、合計1億3814万9288円及び遅延損害金等の支払を求めた事案である。
(2) 原審は、一審原告の商標法36条1項に基づく差止請求につき、被告商品に関する広告を提供する行為のうち一審原告が差止対象とする被告商品の一部商品についての差止請求の限度で認容し、民法709条に基づく損害賠償請求につき弁護士費用分を含み、1243万7531円の損害及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容し、同法703条、704条に基づく不当利得返還請求につき弁護士費用分を含み、275万4793円の不当利得及びこれに対する法定利息の支払を求める限度で認容し、その余の請求をいずれも棄却した。
(3) これに対し、一審被告は、控訴を提起し、原判決中一審被告の敗訴部分の取消し及びその部分に係る一審原告の請求をいずれも棄却する判決を求めた。
他方で、一審原告は、附帯控訴を提起し、一審被告に対し、商標法36条1項に基づき、一審原告が差止対象とする被告商品のうち、原審で棄却された被告商品に関する広告を提供する行為の差止めを求めるとともに、民法709条に基づき、6840万6427円(弁護士費用分を含む。)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和2年9月17日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求め、また、同法703条、
704条に基づき、不当利得金合計額275万4793円(弁護士費用分を含む。)及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和2年9月17日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による法定利息の支払を求めた。
なお、一審原告は、原審で棄却された一審被告がロボットの展示に係る役務を提供するに当たり広告に被告標章を使用することの禁止を求める部分に
ついては附帯控訴せず、また、損害賠償請求及び不当利得返還請求についての附帯控訴は、附帯控訴するとともに、当審において、原審で求めていた1億3814万9288円及びこれに対する遅延損害金ないし法定利息の支払請求を前記第1の2(3)のとおり変更するものである(損害賠償額及び不当利得の合計額を7116万1220円に減縮し、その上で、不法行為による損害賠償に対する遅延損害金請求については、令和2年8月1日から令和3年7月31日までの間の損害賠償請求(原判決別紙請求目録で内金欄の2013万8131円とされている部分)、令和3年8月1日から令和4年7月31日までの間の損害賠償請求(同目録で内金欄の1583万7944円とされている部分)及び令和4年8月1日から令和5年7月7日までの間の損害賠償請求(同目録で内金欄1786万4942円とされている部分)についての遅延損害金請求につき、遅延損害金の起算日を各元金に対応する期間欄記載の始期より前の令和2年9月17日に繰り上げることで、その期間の遅延損害金請求を拡張し、その余の期間の損害賠償請求についての遅延損害金請求については、遅延損害金起算日を訴状送達の日の翌日である令和2年9月17日に繰り下げることで減縮している。また、不当利得に対する法定利息請求についても、法定利息の起算日を訴状送達の日の翌日の令和2年9月17日に繰り下げることで減縮している。)。
2 前提事実及び争点原判決「事実及び理由」第2の2及び3(3頁6行目から4頁6行目まで)
に記載のとおりであるから、これを引用する。
第3 争点に関する当事者の主張
1 原判決4頁11行目冒頭から5頁6行目末尾までを削る。
2 原判決5頁10行目から同頁11行目にかけての「同項8号」を「商標法2
条3項8号」に改める。
3 原判決5頁13行目冒頭から同頁22行目末尾まで、6頁12行目冒頭から同頁18行目末尾まで及び7頁16行目冒頭から同頁18行目末尾までをそれぞれ削る。
4 原判決8頁12行目の「(2)イ」を「(2)」に改める。
5 原判決10頁19行目末尾に改行して次のとおり加える。
「なお、本件商標の自他商品識別力に欠けるところがないとまではいえないとした上で、一審原告と同様に自社のウェブサイトに「RobotShop」などと表示してロボット関連商品をインターネット上で販売している競合他社が存在することを踏まえたとしても、上記の損害額の推定が前者の関係で22.5%、後者の関係で22.5%として合計45%を超える割合で覆滅することはない。
したがって、一審被告による被告標章の使用によって一審原告に生じた損害の額は、6218万7661円(=113,068,476×(100%-45%))を下回るものではない。」
6 原判決10頁20行目冒頭から11頁26行目末尾までを次のとおり改める。
「(3) 不当利得返還請求
ア 使用料率2%とするのが相当である。
イ 利得額被告商品の売上げに使用料率2%を乗じた額が一審被告の利得額となるところ、その金額は、平成28年2月2日から同年7月31日までが80万3151円、同年8月1日から平成29年7月31日までが161万9614円、同年8月1日から同月24日までが8万1592円であり、その合計は250万4357円である。
(4) 弁護士費用一審原告は、一審被告による本件商標権の侵害の差止め等を求めるために、訴訟代理人弁護士に委任をして本件訴訟を提起せざるを得なかった。本件の損害額及び利得額の合計は6469万2018円(=62,187,661+2,504,357)となるところ、弁護士費用646万9202円(損害賠償請求訴訟につき621万8766円、不当利得返還請求訴訟につき25万0436円の合計額)は、一審被告の不法行為等と相当因果関係のある損害に含まれる。
(5) まとめ以上から、一審原告は、一審被告に対し、上記の損害額及び利得額の合計6469万2018円に弁護士費用を加えた7116万1220円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金又は法定利息の支払を求める。」
7 原判決15頁22行目の「、ロボットを展示すること及び」を削る。
第4 当裁判所の判断
2 本件商標と被告標章は類似するか(争点2)について次のとおり補正するほか、原判決「事実及び理由」第4の2(17頁14行目から19頁19行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
(1) 原判決19頁17行目の末尾に改行して次のとおり改める。
「ウ そのほか、一審被告は、被告商品のうち、例えば、①原判決別紙「被告商品の指定商品該当性」の「1.ロボット製作部品」の「(2)モータ・アク
チュエータ」、「(4)ロボットセンサ」及び「(5)電源部品」は、ロボットの関連商品として、ロボットの一部に組み込まれる商品であって、制御系そのものであるコンピュータ商品ではないし、②上記別紙の「3.ツール・機器」の「(1)3Dプリンタ」等は、センサ機能や駆動系を有しているため、コンピュータではないといえるから、被告商品は本件商標の指定商品と同一ではなく、類似するものでもない旨を主張する。
しかし、上記①の点については、一審被告のいう「コンピュータ商品」
の意義は明確でないが、被告商品が、ロボットの一部に組み込まれる商品であって、一審被告のいう「コンピュータ商品」でないとしても、一審被告の例示する「モータ・アクチュエータ」、「ロボットセンサ」及び「電源部品」は、いずれも、本件商標の指定商品である「電子応用機械器具及びその部品」に少なくとも類似するといえる。
また、上記②の点については、被告商品のうち「3Dプリンタ」等は、
センサ機能や駆動系を有していても、本件商標の指定商品である「コンピュータ周辺機器」に少なくとも類似するといえる。
したがって、被告商品は本件商標の指定商品と類似するものではない旨の一審被告の上記主張は採用することができない。
エ さらに、一審被告は、3Dプリンタやドローン等について商標登録を受けており、その専用権の範囲内である品目については、本件商標の指定商品と類似するものであるはずがない旨も主張する。
そこで検討すると、証拠(乙11)によれば、確かに、一審被告は、3Dプリンタやドローン等に関して商標登録を受けたと認められるが、その登録商標に係る指定商品・役務は、商標法施行規則別表の35類の「3Dプリンターの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、37類の「軍事用ドローン及びその部品並びにその附属品の修理又は保守」、「産業用ドローン及びその部品並びにその附属品の修理又は保
守」、「民間用ドローン及びその部品並びにその附属品の修理又は保守」
及び「おもちゃのドローンの修理又は保守」といった役務であって、上記の商標は、3Dプリンタやドローン等の商品自体を指定商品とするものではないと認められる。
このように、一審被告が登録を受けた商標は、3Dプリンタやドローン等に関する一定の役務を指定役務とするものにすぎず、一定の商品を指定商品とするものではないから、本件商標の指定商品と一審被告の販売する被告商品との間の商品としての類似性の判断に影響を及ぼすものとはいい難く、一審被告が上記のような商標の登録を受けた事実を踏まえても、3Dプリンタやドローン等が本件商標の指定商品に少なくとも類似するとの判断は左右されない。」
(2) 原判決19頁18行目の「ウ」を「オ」に改める。
3 本件商標の効力が被告標章に及ぶか(禁反言の原則の適否)(争点3)について原判決21頁8行目の末尾に改行して次のとおり加えるほか、原判決「事実及び理由」第4の3(19頁22行目から21頁8行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
「(4) これに対し、一審被告は、ロボット類似品のほか、ロボット製作に使用する部品(ロボット部品)と同一又は類似するものに対して本件商標権の侵害を主張することも、禁反言の原則(民法1条2項)又は信義則等の民法の一般原則により許されない旨を主張する。
しかし、ロボット製作に使用する部品には様々なものがあり、それらの部品は、それ自体がロボットとはいえないものや、ロボット製作以外の用途に使用されるものもあると考えられる。そして、一審原告は、本件商標の出願に当たり、指定商品をロボット製作に使用する部品に限定していたわけではなかったのであるから、本件商標の出願経過に照らしても、一審
原告が、被告販売商品のうちロボット製作に使用する部品と同一又は類似するものに対して本件商標権の侵害を主張することは、禁反言の原則又は信義則等の民法の一般原則に反し許されないものであるとはいえない。」
4 商標法26条1項2号該当性(争点4)について原判決「事実及び理由」第4の4(21頁10行目から同頁26行目まで)
に記載のとおりであるから、これを引用する。
5 損害等の発生及びその額(争点5)について次のとおり補正するほか、原判決「事実及び理由」第4の5(22頁2行目から25頁25行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
(1) 原判決22頁26行目の「推定される損害額について」を「一審被告の売上げ及び限界利益について」に改める。
(2) 原判決23頁14行目冒頭から同頁15行目末尾までを削除する。
(3) 原判決24頁5行目の末尾に改行して次のとおり加える。
「これに対し、一審被告は、一審原告の損害賠償額の推定の覆滅割合について、一審被告の出資者の創始したカナダ法人が長年にわたり被告標章を使い続けてきたこと、一審原告は本件商標以外にも自己の社名を用いた別の商標を用いていること等からすると、上記の覆滅割合は90%を優に超えるというべきである旨主張するが、一審被告の指摘する上記の事情は、上記認定の覆滅割合の判断を左右するものであるとはいえない。
他方、一審原告は、①ウェブサイトに「RobotShop」などと表示してロボット関連商品をインターネット上で販売している会社は、一審原告と一審被告の他には2社しかない、また、②一審原告の販売商品である「Sota」というロボットは、日本経済新聞で取り上げられるなど著名であり、本件商標は「Sota」の販売元のものとして知名度があるから、本件商標の自他商品識別力は相当程度強いとして、一審原告の損害賠償額の推定の覆滅割合は45%にとどまるなどと主張する。
しかし、上記①の主張を踏まえても、ウェブサイトに「RobotShop」などと表示してロボット関連商品をインターネット上で販売している会社は、一審原告と一審被告の他にも複数あるというのであり、また、上記②の主張のとおり本件商標に一定の知名度があるとしても、本件商標そのものは、「ロボットの店」などの意味で理解され得る一般的な語であることに照らすと、それ自体の自他商品識別力が強いとはいえない。
したがって、一審原告の主張を踏まえても、一審原告の損害賠償額の推定の覆滅割合を90%と認めるのが相当であるとの上記判断は左右されない。」
(4) 原判決24頁8行目の「合計額は」の後に「、上記イ認定の限界利益額1億1306万8476円に10%(100%-90%)を乗じた額として計算された」を加える。
(5) 原判決25頁6行目の末尾に改行して次のとおり加える。
「一審被告は、本件商標の使用料率について、上記(1)ウにおけると同様、一審被告の出資者の創始したカナダ法人が長年にわたり被告標章を使い続けてきたこと、一審原告は本件商標以外にも自己の社名を用いた別の商標を用いていること等からすると、その使用料率は0%に近いものというべきである旨主張するが、一審被告の指摘する上記の事情は、上記認定の使用料率の判断を左右するものであるとはいえない。」
(6) 原判決25頁12行目冒頭から同頁14行目末尾までを次のとおり改める。
「一審被告による本件商標権の侵害行為と相当因果関係のある弁護士費用は、各期間の損害額等の約1割をもって相当と認め、その額は、商標権侵害行為による損害額1130万6847円(上記(1)エ)の1割に相当する113万0684円であって、原判決別紙「損害額・利得額」の上段の「弁護士費用相当額」欄記載のとおりとなる。一審原告は、不当利得に基
づく返還請求訴訟部分についても弁護士費用相当額を加算して請求しているが、本件の不当利得返還請求訴訟提起のために要した弁護士費用相当額を一審被告が利得する関係にはなく、また、本件においては、これを一審原告についての民法704条後段の損害と認めることもできないから、上記弁護士費用相当額の請求は、それが不当利得に基づくものであれ、損害賠償請求に基づくものであれ理由がない。」
(7) 原判決25頁16行目冒頭から同頁25行目末尾までを次のとおり改める。
「ア 一審原告の損害賠償請求は当審における遅延損害金の拡張請求を含め、1243万7531円並びに①平成29年8月25日から令和2年7月31日までの損害賠償期間における損害(弁護士費用相当額を含む。以下同じ。)合計651万5021円に対する訴状送達の日の翌日であることが記録上明らかである同年9月17日から支払済みまで、②同年8月1日から令和3年7月31日までの損害賠償期間における損害合計221万5194円に対する不法行為がされた日の末日である同月31日から支払済みまで(一審原告は継続的な不法行為による損害賠償を年単位で主張し請求していることから、遅延損害金の起算日はその単位とされた期間の末日とするのが相当である。以下の
③、④についても同じ。)、③同年8月1日から令和4年7月31日までの損害賠償期間における損害合計174万2173円に対する不法行為がされた日の末日である同月31日から支払済みまで、及び④同年8月1日から令和5年7月7日までの損害賠償期間における損害合計196万5143円に対する不法行為がされた日の末日である同月7日から支払済みまで、それぞれ民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余の請求は理由がない。
イ 一審原告の不当利得返還請求は、250万4357円及びこれに対する悪意の受益者となったと認められる日(令和5年7月7日付け訴えの変更申立書送達の日)の翌日であることが記録上明らかである令和5年7月13日から支払済みまで、同法704条所定の法定利息の支払を求める限度で理由があり、その余の請求は理由がない。」
6 差止めの必要性があるか(争点6)
原判決「事実及び理由」第4の6(26頁1行目から同頁3行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
7 一審被告の権利濫用の主張について一審被告は、一審原告が、①本件商標が拒絶理由通知を受けた後に指定商品にロボットを含まない形で登録されたものであるのに、あたかも本件商標がロボットの販売について認められたものであるかのような広告をして消費者を欺いており、また、②一審被告を含む業者がロボット関連の販売について「ロボショップ」という標章の商標登録を受けられない中で、だまし討ちのように本件商標の登録を受けてロボット商品について本件商標権を行使しているものであるから、一審原告が本件商標権における禁止権や本件商標権の侵害を理由とする損害賠償請求権を行使することは、権利の濫用に該当し、許されない旨を主張する。
しかし、上記①の点については、一審原告において、本件商標がロボットの販売について認められたものであるかのような広告をしているなどといった事実を認めるに足りる証拠はない。
また、上記②の点については、前記のとおり、ロボットの製作に必要となる部品等には様々なものがあり、それらの部品等はロボットの製作以外の用途にも使用され得るものでもあると考えられるところ、一審原告は、特許庁から拒絶理由通知を受け、指定商品からロボットを、指定役務からロボットの小売をそれぞれ除外して本件商標の登録を受けた上で、その指定商品に類似するロボ
ットの製作にも必要となる部品等を一審被告が販売することについて、本件商標権における禁止権や本件商標権の侵害を理由とする損害賠償請求権を行使しているにすぎないのであって、一審原告が本件商標の登録を受けた経緯が「だまし討ち」と評価されるようなものであったとはいえないし、一審原告が上記のような権利を行使することが権利の濫用に該当するものということもできない。
第5 結論
その余の請求は理由がないから棄却すべきである。
一審原告の損害賠償請求は、補正の上引用した原判決の「事実及び理由」第4の5(4)記載のとおり、一部理由があり、その余は理由がないので、その理由がある限度で認容し、その余は棄却すべきである。
一審原告の不当利得返還請求は、250万4357円及びこれに対する悪意の受益者となった日(令和5年7月7日付け訴えの変更申立書送達の日)の翌日であることが記録上明らかである令和5年7月13日から支払済みまで、民法704条所定の法定利息の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余の請求は理由がないから棄却すべきである。
2 そうすると、これと同旨の差止請求に係る原判決主文第1項に対する本件控訴及び附帯控訴はいずれも理由がなく棄却されるべきである。
他方、上記1の判断と異なる損害賠償請求に係る原判決主文第2項及び第3項(ただし、いずれも損害賠償請求に係る部分)は失当であり、同部分に対する一審原告の附帯控訴(附帯控訴に基づき当審において拡張した遅延損害金請求部分を含む。)は一部理由があり、本件控訴は理由がなく、また上記1の判
断と異なる不当利得返還請求に係る原判決主文第2項及び第3項(ただし、いずれも不当利得返還請求に係る部分)も失当であり、同部分に対する一審被告の本件控訴は一部理由があり、一審原告の附帯控訴は理由がないから、これらを併せて一審被告の本件控訴及び一審原告の附帯控訴(附帯控訴に基づき当審において拡張した遅延損害金請求部分を含む。)に基づき、原判決の主文第2項及び第3項を、主文第1項(1)、(2)のとおり変更すべきである(なお、損害賠償請求及びこれに対する一部期間の遅延損害金請求が減縮されたこと及び起算日を繰り下げることで不当利得返還請求に対する法定利息請求が減縮されたことは、上記第2の1(3)記載のとおりである。)。
3 よって、主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第8民事部
裁判長
裁判官
森 崎 英 二
裁判官
奥 野 寿 則
裁判官
山 口 敦 士
出典: 令和2年(ワ)第7918号 裁判所ウェブサイト掲載の判決文 →