特許や商標の移転登録の手続きのやり方と気を付けるべきこと

特許や商標の移転登録の手続きをするには、先ずは、登録原簿に登録された権利者の住所や名称などが現在のものと合致しているか確認します。登録原簿を確認したら、移転登録の申請書と移転登録の原因を証明するための書面などを作成します。

移転登録の申請書には、権利を譲り渡す人と権利を譲り受ける人の住所などを記載します。移転登録の原因を証明するための書面として、権利の譲渡があったことを示す書類などを準備します。

また、登録原簿に登録された内容が現在のものと合致していない場合には、登録原簿の内容を変更する表示変更登録申請書も作成します。弁理士などの代理人を通じて手続きをする場合には、委任状が必要です。

不備がないように申請書などを作成して特許庁に提出すると、権利の移転登録がされます。

特許や商標の移転登録の手続きのやり方

移転登録の手続きをするには、先ずは、登録原簿を確認して必要となる書類を確認します。あとは、移転登録の申請書や移転登録の原因を証明するための書面を準備します。

また、必要に応じて委任状や表示変更登録申請書を作成します。

1.先ずは登録原簿を確認する

特許権や商標権などの権利の移転登録をする場合は、先ずは、移転させる権利の登録原簿を確認します。

①登録原簿を確認するために閲覧請求か交付請求をする

特許権や商標権などの権利の移転登録をする前に、ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書か、ファイル記録事項記載書類の交付請求書を作成して特許庁に提出し、移転させる権利の登録原簿を確認します。

②登録原簿の内容を確認する

特許や商標などの申請をして特許権や商標権などの権利が認められると、特許庁に備わる登録原簿に登録されます。登録原簿に登録された権利に関して変更があると、登録原簿に登録がされます。

登録原簿に登録された権利者などの住所や名称などが、現在の権利者の住所や名称などと合致していない状態で権利の移転登録をしても移転登録が認められません。

登録原簿に登録された権利者などの住所や名称など(登録原簿の甲区に関する記載)が、現在のものと合致していない場合には、表示変更登録申請書の提出が必要です。登録原簿を確認して表示変更登録申請書の提出が必要かを確認します。

2.移転登録の申請書の作成をする

移転させる権利について移転登録申請書を作成します。具体的には、権利を譲り渡す人と権利を譲り受ける人の住所や名称などを記載するとともに、代表者印などを捺印し、移転登録にかかる登録免許税を収入印紙により貼り付けます。

登録免許税としては、合併・相続による一般承継での移転登録申請の場合には、特許と商標いずれも1件につき3,000円です。一般承継以外の原因による移転登録申請の場合には、特許が1件につき15,000円で、商標が1件につき30,000円です。

3.移転登録の原因を証明するための書面の準備をする

移転登録の原因を証明するための書面として、例えば、権利の移転があったことを示す書類などを準備します。

相続により権利が移転する場合

相続により権利が移転する場合は、権利を持っていた人が亡くなった事実を証明する書類(戸籍謄本)と相続人であることを証明する書面(相続の資格を有する人全員の記載がある戸籍謄本)を準備します。

戸籍謄本に記載の相続人の住所と、移転登録の申請書に記載の相続人の住所が違う場合には、戸籍謄本の相続人と申請書に記載の相続人が同一であることを証明するために住民票の添付も必要です。

合併により権利が移転する場合

合併により権利が移転する場合は、合併の事実を証明する書面として、合併の事実の記載がある登記事項証明書又は閉鎖登記事項証明書を準備します。

特定承継により権利が移転する場合

相続や合併による一般承継以外の原因で権利が移転する場合は、譲渡証書の作成が必要となります。

4.原簿が現在と一致しない場合は表示変更登録申請書を作成する

登録原簿に登録された権利者などの住所や名称などが、現在のものと合致していない場合には、表示変更登録申請書を作成します。

5.弁理士などの代理人を使う場合は委任状を作成する

弁理士などの代理人を利用する場合には、委任状が必要となります。弁理士などの代理人を利用する場合には、上記の申請書類や必要な書類については代理人の方から指示があるため、代理人の指示に従って必要な書類などを準備しましょう。

各申請書類の作成で気を付けるべきこと

申請書類を作成する際には、パイロットのフリクションのように、こすったら消えるペンを使ってはいけません。

また、会社名の変更により表示変更登録申請書を作成する場合は、変更後の会社名が印影に表示される印鑑で表示変更登録申請書に捺印をしなければなりません。弁理士などの代理人を利用する場合に作成する委任状も、変更後の会社名が印影に表示される印鑑で捺印をしなければなりません。

なお、会社に権利を移転させる場合には、各申請書類には会社の代表取締役印を捺印する必要がありますが、会社の代表取締役印がない場合には、代表取締役の個人印で代用することも可能です。

移転登録のやり方を確認した上で手続きをしてみよう

移転登録の手続きをするには、先ずは、登録原簿を確認して必要となる書類を確認します。あとは、移転登録の申請書や移転登録の原因を証明するための書面を準備します。また、必要に応じて表示変更登録申請書も作成します。

移転登録の手続きが面倒な場合には、弁理士などの代理人に依頼して移転登録の手続きを代理してもらうこともできます。この場合には、別途、委任状が必要になりますが、必要な書類については代理人から指示があるため、代理人の指示に従えば良いでしょう。

なお、権利の相続人が複数存在したり、移転する権利の数が多かったりする場合には、移転登録に関する手続きが複雑となり、どのような書類を準備すればよいのか分からなくなりがちです。

移転登録の手続きに関して不明な点や分からない点などがありましたら、当サイトの無料相談をご活用下さい。

ABOUTこの記事をかいた人

米田恵太

弁理士。当サイトの運営責任者。幼い頃、大切にしていたガンダムのカードをパクられた経験から、大切なものをパクられないようにすべく、特許や商標などの知的財産で大切なアイデアなどを守ったり、活用したりするサポートをしています。 商工会議所、商工会、金融機関、企業など各種業界団体での講演実績も多数。 支援先は、メーカー、スタートアップ企業、個人発明家のみならず、デザイン会社、マーケティング会社、ミシュランに掲載の飲食店など多岐にわたっています。