新品種に関する品種登録と商標登録の違いと使い分け

品種登録とは、新たな品種の植物を育成した人が新品種の品種名や特徴などとともに新品種を登録することです。一方、商標登録とは、商品やサービスに使うネーミングやロゴなどをネーミングやロゴなどを使う商品やサービスとともに登録することです。

新品種に関する品種登録と商標登録では、品種登録は登録した新品種の種苗等の生産などを一定期間独占できるのに対し、商標登録は登録した新品種のブランド名を半永久的に独占できる違いがあります。

品種登録と商標登録の主な使い分けとしては、新品種の種苗等を守る場合は品種登録、新品種のブランド化を図る場合は商標登録が適しています。品種登録した品種名は商標登録できないため、品種登録した品種名とは別の名称を新品種のブランド名として商標登録する必要があります。

▲イチゴの「あまおう」は品種登録と商標登録の両方で守られている

新品種に関する品種登録と商標登録の違い

品種登録は、登録した新品種の種苗等の販売などを一定期間独占できるのに対し、商標登録は、登録した新品種のブランド名を半永久的に独占できる違いがあります。

品種登録とは

品種登録とは、新たな品種の植物を育成した人が新品種の品種名や、既存品種とは異なる新品種の形状、色、耐病性といった特徴などとともに新品種の登録をすることです。登録の申請先は農林水産省です。

品種登録すると、登録した新品種の種苗や収穫物や加工物の生産や販売などを一定期間(25年間か30年間)独占できます。

商標登録とは

商標登録とは、商品やサービスに使うネーミングやロゴなどをネーミングやロゴなどを使う商品やサービスとともに登録することです。登録の申請先は特許庁になります。

新品種のブランド名を商標登録すると、登録した新品種のブランド名は、商標登録の更新をし続ける限り半永久的に独占できます。

品種登録と商標登録の違い

▲品種登録と商標登録とでは主に独占できる対象と独占できる期間が異なる

新品種に関する品種登録と商標登録では次の違いがあります。品種登録では、登録した新品種の種苗や収穫物や加工物の生産や販売などを一定期間独占できるのに対し、商標登録では、登録した新品種のブランド名を半永久的に独占できる違いがあります。

品種登録と商標登録の使い分け

▲品種登録は新品種の勝手な生産等を防ぐのに対して商標登録では新品種のブランド化を図る

品種登録と商標登録の主な使い分けは、新品種の種苗等を守りたい場合は品種登録、新品種のブランド化を図りたい場合は商標登録が適しています。

ただし、品種登録した品種名は商標登録できないため、品種登録した品種名とは別の名称を新品種のブランド名として商標登録する必要があります。

あまおうは品種登録と商標登録の両方を使用

▲イチゴのブランドで有名な「あまおう」

イチゴのブランドで有名な「あまおう」は、品種登録と商標登録の両方を使用しています。「あまおう」の種苗等については、品種名「福岡S6号」として品種登録をして保護しています。また、ブランド名の「あまおう」は商標登録をしています。

新品種に関する商標登録のポイント(あまおうの菓子の商標を例に)

イチゴの果物や苗などに使用するブランド名としての「あまおう」は、全国農業協同組合連合会が商標権を取得しています。ただし、お菓子などに使用する「あまおう」というネーミングは、別の会社に商標権が取得されています。

そのため、新品種についてブランド化を図る場合には、新品種の苗や果実などに限定せず、新品種を用いたお菓子などの加工品等も含まれるようにブランド名を商標登録することが望ましいです。

商標登録の注意点(とちおとめの品種登録と商標登録の関係)

日本で一番栽培されているイチゴの品種である「とちおとめ」は、品種名「とちおとめ」として品種登録されています。「とちおとめ」のように品種登録で登録された品種名は商標登録できません。

そのため、ブランド化を図りたい場合は、品種登録した品種名とは別にブランド名も考えて商標登録すると良いでしょう。

因みに、「とちおとめ」の品種登録の有効期限は切れています(特許で言う特許切れのような状態です)。

品種登録と商標登録の相互活用

例えば、果物の新品種を品種登録した場合、新品種である果物の出荷基準を守るなどの一定の条件を満たす農家さんだけに新品種の使用を認めることで、新品種の品質を担保でき、新品種のブランド価値を守ることができます。

ただし、品種登録の有効期限が切れると、誰でも自由に新品種を栽培できるため、市場に流通する新品種の品質にバラツキが生じて新品種のブランド価値が損なわる可能性があります。

そのため、新品種のブランド名となる名称については商標を取得し、新品種に関する品質基準などを守ることを条件にブランド名の使用を認めれば、商標で半永久的に新品種の品質を担保できるとともに、ブランド価値を守ることが可能となります。

このように、品種登録と商標登録の両方を利用することで、新品種のブランド価値を強固に守ることができます。

なお、ブランド名としての商標を取得しておけば、品種登録の期限が切れた後に高品質で栽培しやすい新たな品種が育成できた場合に、商標登録されたブランド名を引き継いだまま、品種だけを変えるという使い方もできます。

品種登録と商標登録の違いを理解した上で活用してみよう

品種登録は、登録した新品種の種苗等の販売などを一定期間独占できるのに対し、商標登録は、登録した新品種のブランド名を半永久的に独占できます。よって、新品種の種苗等を守りたい場合は品種登録、新品種のブランド化を図りたい場合は商標登録が適しています。

このように新品種に関して何をしたいのかにより品種登録をすべきか、商標登録をすべきか、両方とも登録すべきかが変わります。そのため、品種登録と商標登録の違いを理解した上で、新品種について品種登録や商標登録を活用できないか検討してみましょう。

品種登録と商標登録の使い分けや新品種のブランド価値を守る方法などでお悩みの場合には、当サイトの無料相談をご利用下さい。

ABOUTこの記事をかいた人

米田恵太

弁理士。当サイトの運営責任者。幼い頃、大切にしていたガンダムのカードをパクられた経験から、大切なものをパクられないようにすべく、特許や商標などの知的財産で大切なアイデアなどを守ったり、活用したりするサポートをしています。 商工会議所、商工会、金融機関、企業など各種業界団体での講演実績も多数。 支援先は、メーカー、スタートアップ企業、個人発明家のみならず、デザイン会社、マーケティング会社、ミシュランに掲載の飲食店など多岐にわたっています。